ただいま、初恋4【佐野玲於】

一目ぼれ？ ページ33

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A「い、いけそう？それって、付き合えるかもってこと？」

マユ「うん。え？てか、周りから見たらもう普通にカップルだよ。」

A「ええ！」

マユ「Aもわかるでしょ。先輩絶対Aのこと好きだよ。」

A「わかんないよ！」

マユ「え〜？だってさ、酔ってもないのに手繋ぐんでしょ。家まで送ってくれるんでしょ。好きじゃないとしなくない？佐野先輩って、チャラいけど真面目そうだし。」


そ、それはちょっと分かるけど…！
しかも、サヤさんに未練タラタラだって思ってたけど
お母さんの話聞いて、それは誤解だって分かったし
ただ一番気がかりなのが
わたし、全然先輩のタイプじゃないってこと
これは死活問題だよ
はあ、どうにかしたい この下膨れ


マユ「告ってもいいと思うよ。ていうか、待ってたらそのうち向こうから言われそう。」

A「好きって？」

マユ「うん。」

A「絶対ない！」

マユ「あるある。まあたぶん、どっちにしろ上手くいくと思うのね、」

A「そうかなあ…」

マユ「うん。もしそうなったとき、ちょっと気まずくない？」

A「え？なんで？幸せいっぱいじゃん。」

マユ「違くて、…白濱先輩。」

A「あ、」


…やばい、そうだった
白濱先輩のことも考えなきゃいけないんだ
はぁーって、頭を抱える
こればかりはもう、わたしにはどうしようも…


マユ「モテる女は大変だね〜！」

A「…ほんとにやめてよ、人生で一度もモテたことないんだけど。」

マユ「またまた。白濱先輩と佐野先輩から好かれるって、それもう一生分のモテ期が一気にきたって言っても過言じゃないよ。」

A「…佐野先輩はわかんないし。」

マユ「あ！そうだ思い出した。知ってる？経済の堀田くん！」

A「堀田くん？」

マユ「水曜2限の授業同じでさ、ほら、背高くて…俳優のあのひとに似てる、なんだっけ？なんとか健太郎。」

A「…わかんない。」

マユ「まあいいや、そのひとね、Aのことめっちゃ気に入ってるらしいよ！この前みくちゃんから聞いた〜」

A「え、待って待って、わたし話したこともないのに？なにそれ。絶対嘘だよ。」

マユ「ほんと。だからまあ、顔がタイプなんじゃない？一目ぼれ、的な。」

A「…一目ぼれ…」


…わたしに、一目ぼれ？
堀田くんってひと、絶対眼科行った方がいいよ
ていうか白濱先輩もおかしい
なんでわたしのこと？って
未だに理解できないもん


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