1年 ページ9
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A「だからね、告白はまだ、先送り。」
ミサ「えー…そんなことがあったんだね…」
ミサちゃんの気がすむまで
恥ずかしかったけど、全部話した
サヤさんのことも
白濱先輩のことも、全部
ミサ「…苦しいね…」
A「…うん。」
ミサ「でも、片思いってどうしようもないもんね。…ミサ実は、中高一貫の女子校行っててね、」
A「そうなの?」
ミサ「うん。そこで6年間、ずっと先生のことが好きだったの。数学の先生でね、背が高くてね…って、あ、これはどうでもよくて!その先生、結婚してたんだ。」
A「そうだったんだ…」
ミサ「うん、ほんとに好きだったけど、先生の家庭を壊すとか絶対したくなかったから、諦めなきゃって何回も思って…でも、結局6年間、好きなままだったの。」
…なんか意外
ミサちゃんって、天真爛漫だから なにも考えてなさそうって思ってたけど
6年間も片思いして、先生の家庭のことまで考えてて
すごいな。見直した
ミサ「やっぱり恋ってさ、やめようって思ってやめれるものじゃないんだよね。そんな軽い気持ちで好きになったわけじゃないし。」
A「…ほんと、そう思う。」
ミサ「うん。…でもね、わたしが先生を諦められたのは、完全に 時間の問題だった。」
A「…時間?」
ミサ「うん。告白して振られても諦められなくて、奥さんと歩いてるとこ見てもやっぱ諦められなくて、でも、卒業して、1年…くらいかな、それくらい経ったらね、いつのまにか薄れていってたの。先生のこと好きって気持ち。」
A「本当?」
ミサ「うん、不思議だよね。あんなに好きだったのに、1年も会わなかったら やっぱ忘れちゃうんだなって思った。わたしの場合はさ、連絡先も交換してなかったし、声すら聞けなかったから。」
A「…そっか、遠距離恋愛のカップルって、会えなかったとしても、電話はできるし…」
ミサ「そう、そうなの!声だけでも、そのひとの存在を感じられたら、ほんとに好きな人なら絶対気持ちは冷めないと思うの。けど、会えなくて、究極、生きてるか死んでるかもわかんないようになったら、たぶん1年が限界。」
A「…そっかあ…」
ミサ「まあ、わたしがまだ子どもだからかもしれないけどね。」
A「ううん…1年って、相当長いよ。」
1年前の自分が今何してたかなんて
簡単に思い出せないもん
…寂しいな
なんで記憶って、だんだん薄れていってしまうんだろう
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maki(プロフ) - 今まで何お話、読み返したら、やっぱり佐野先輩とうまくいってほしい。。(;_;)先輩!!何してんのーー!!! (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9583ac788f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - ほんとに今一番大好きな小説です。全然話長くしていただいてかまいません!笑更新これからも楽しみにしていますので大変だと思いますが頑張ってくださいね! (2018年7月5日 23時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんは更新率が高いことだけが取り柄だなんて、全然まったくそんなことないですよ(^^)きなこさんのお話を読むだけで元気になれます。いつもお話を読めること本当に嬉しいです。これからも応援しています。きなこさんの思ったまま書いてください! (2018年7月5日 23時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - さいくぅー (2018年7月5日 22時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - もうきなこさんの伏線が楽しみすぎます!!楽しみにしてます!! (2018年7月5日 22時) (レス) id: c6b1080ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2018年6月16日 21時