ただいま、初恋4【佐野玲於】

パパ感 ページ37

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玲於「バカ、お前はどこでそんな言葉覚えてきたんだよ。」

颯「だってれおのくるま、のってる！」

玲於「車乗ってたら、俺のおんな？」

颯「たぶん、そう。」

玲於「…ふ、笑 聞いた？A、俺のおんななんだって。」


そう言って、意地悪く笑ってくる
いや、いや、まって！
6歳の子の前で本気で照れちゃうよ


玲於「ねえちゃんに迷惑かけちゃだめだよ。お前のためにわざわざ来てくれたんだから。」

颯「うん。A、かわいいからいいよ！」

玲於「あーあーもうお前はホストか！」

颯「ほすとって？」

玲於「…なんでもない。ほらシート置くからどいて。」


抱えていた荷物のひとつ
紺色の、ジュニアシート
背もたれないやつで、なんか懐かしかった


玲於「颯、チビだからさ、これないと車乗れないんだよ。」


言いながら、屈んでシートにベルト通してる
その姿がすごくパパっぽくて、きゅんとした
…これは本当にレアすぎる
先輩って、ほんとお子ちゃまみたいなのに
顔だってかわいい系なのに
パパになったら、こんな感じかあ…

そのあと、いいよって颯くん座らせて
シートベルトも締めてあげて
最後、いつもみたいに得意げに口角上げたあと、ぽんって頭撫でて 運転席に戻った

…やばい
にやにや止まらない
こんなの、ほんとにパパじゃん！


颯「れお、どこいく？」

玲於「んー…あ、A何時までいける？」

A「何時まででも！」

玲於「ほんと？じゃあ…とりあえず暗くなるまで、どっか公園でも行くか。」

颯「おれ、みずのやつしたい！みずの、ぴゅーってするの！」

玲於「水鉄砲？」

颯「うん！」

玲於「あー、じゃあ途中百均寄って買う？でも百均の水鉄砲って…どんなの？笑」

A「あ！わたしこの前、百均ですごいの見た。おっきいの、でも、500円くらいしたけど。」

玲於「へー、そんなんあんの？じゃあ行ってみよ。」


しゅっぱーつ、って
動き出す車
こんな楽しいの、きっともう二度と味わえないなあ


そのあと寄った百均で
大きい水鉄砲、みっつ買って
ついでにお茶と、お菓子もいくつか

着いた公園は思ってたよりずっと広くて
平日だからか、人も少なかった


先輩、子どもみたいにはしゃぐの
わたし荷物見てるからふたりで遊んでって言ったのに
結局水かけられて
もー！って、参戦する始末

颯くんも楽しそうで嬉しいし
雲ひとつない青空は、暑いけど、好き
びしょびしょになった服だって、すぐ乾いちゃうから


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