君もね ページ8
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お昼食べたあと
わたしたちも白濱先輩たちも、3限空きコマで
カフェでそのままお喋り
白濱先輩はやっぱり優しくて
わたしのこと、ちゃんと輪に入れてくれる
もちろんマユちゃんも
そのおかげで、ちょっとだけ打ち解けられた
…でもやっぱり佐野先輩は
わたしの名前、覚えてないみたい
マユ「いやだから、雄介はほんとに顔が良くて、」
亜嵐「さっきから顔ばっかじゃん!笑」
A「マユちゃん、この前も言ってましたもん。顔が良いって。」
亜嵐「うわー嫌な女〜」
玲於「写真見たい、ないの?」
マユ「ありますあります。超カッコいいやつ。」
話題は、マユちゃんの彼氏
ほらって見せたその写真は
マユちゃんと彼氏さんが、ふたりで顔くっつけてうつってるものだった
玲於「うわ、マジでイケメンじゃん。」
マユ「だからイケメンだって言ってるじゃないですか。」
玲於「なんかあれ、亜嵐くんと真逆じゃね?」
A「…目が、白濱先輩の半分くらい…」
玲於「そうそう、目。」
マユ「この切れ長がいいんですよ。」
うん、かっこいい!って
ぞっこんなマユちゃん
かわいいな
若干ニヤけてるその横顔を、ちょっと笑いながら眺める
亜嵐「次のデートのご予定は?」
マユ「しあさって?かな。向こうがバイト休みだから。わたしせっかく明日バイト休みなのに、雄介、飲み会あるって言うし。」
亜嵐「ふうん、じゃあ明日暇なの?」
マユ「すっごい暇です。」
亜嵐「えーじゃあカラオケ行こうよ。」
カ、カラオケ?
カラオケ行こうよ、って、それ、わたしも一緒に誘われてるのかな
わかんない
マユちゃん、行きたいって答えてて
でも、えっと、わたしは…
玲於「…君もね。」
そんなふうにひとり焦ってたら
となりから、佐野先輩の小さい声が聞こえた
見たら、目が合って
玲於「…君も、ね。」
もう一回、同じこと
A「…はい。」
玲於「……あ〜また亜嵐くんの歌聴かされんのかあ〜やだな〜」
亜嵐「は!?笑」
玲於「ふざけて歌うのが腹立つんだよ。…ね、耳塞いでていーからね。」
わたしのこと見ながら
眉間にシワよせてそう言ってくる
…びっくり
こんなふうに話しかけられたの 初めて
さっきも、わたしが焦ってるの気付いて、言ってくれた?
はい、って
不自然に思われないように、なんとか笑って答える
…佐野先輩って
案外怖い人じゃないのかもなあ
明日のカラオケ
楽しみなような、怖いような
そんな、変な気持ち
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ゆづき(プロフ) - きなこさん、初めまして!だいぶ時間が経っていて、もうコメントを見ることはないかもしれませんが、、とてもキュンキュンして、人間の小さい心の動きをうまく言葉に起こしている部分に特に感動しました!♡2章も楽しんで読ませていただきます! (6月7日 22時) (レス) @page50 id: bfb37b3d55 (このIDを非表示/違反報告)
kaoris10(プロフ) - お気に入り登録してます!毎度ウルウルです!塩な彼氏と〜のパスワード教えて頂きたいです! (2020年2月14日 23時) (レス) id: 9b17de759e (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - とても面白いです!(T^T)更新待っています! (2019年2月16日 2時) (レス) id: 3b0746b685 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - また一話から読み返しています。もう何回目?って言うくらい読み返しているのに、また切なくて泣いてしまいます。この物語のチカラに驚いております。 (2019年1月23日 1時) (レス) id: eef139c402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 久々のきなこさんのお話し、今回も楽しく読ませていただいております!今後の展開もとても気になるところです。きなこさんのお話を読んでると純粋に人を好きになって恋をしたくなります、、それくらい素敵なお話しをありがとうございます! (2018年5月7日 21時) (レス) id: 97c32faec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2018年4月21日 21時