キーホルダー ページ45
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好きなひとの好きなものを知りたくなる心理って、なんだろう
A「えー、子ども好き？」
玲於「いやいや俺めっちゃ懐かれるからね。」
A「なんか意外。」
玲於「どういう意味っすかね。笑」
ふふって笑って、にやにや我慢して
それ繰り返してたら 電車が減速を始めた
…もう着いちゃうのか
A「10分って、」
あっという間ですね
って、言おうと思って 顔を上げた
でも
あ、どうしよう、またこれだ
先輩、遠くを見てる
虚ろなくすんだ目
さっきまで一緒に笑ってたのに
いまはもうひとりで、ひとりきりで
声かけなきゃって思ったのに、怖くて何も言葉が出なかった
止まった電車に立ち上がった先輩は
ドアのとこで振り向いて
玲於「何してんの？降りるよ。」
その目はもう、いつも通り
…なんだ、これ
わかんない、先輩、何を抱えてるんだろ
でも、今は到底聞けない
踏み入るなって、拒絶されるのが怖い
A「待って、」
玲於「なにぼーっとしてんの。ドア挟まれても知らねーよ、俺。」
A「…ちょっと考え事。」
玲於「今日の晩ご飯何かなー、とか？」
先輩の後ろに続いて通る改札
いつもひとりだから、なんか変な感じする
自動販売機からはもうホットは消えてて
あー、はちみつれもん、もう買えないなあって ひとり落ち込んでたら
玲於「…良いもの欲しい？」
二手に分かれる階段の手前で
そう呟いた先輩
顔上げたら得意げに笑ってて
A「…欲しい。」
玲於「…しっかたねえなあー。」
リュック、ごそごそ
あった、って取り出したのは
あの、有名なねこちゃんが、うさぎの被り物被ってる、ちっちゃなキーホルダー
A「か、かわいい…！」
玲於「ねー、絶対そう言うと思った。箱根のお土産やさんで見つけたやつ。」
A「これ、わたしに？」
玲於「親戚の子にあげようと思ったんだけど、予定合わなくて。だからお前にやる。」
A「なんだ…そういうやつか…」
玲於「…いらないの？」
A「いる！」
答えたら、ふはって笑った先輩
はいどーぞって、わたしの手に乗っけてくれた
…うわあ
嬉しいな
あのおまんじゅうはサヤさんが選んだものだけど
これは、わたしの為じゃなくても、でも、佐野先輩が選んだものだから
…そっかあ、これ渡すために
今日 一緒に帰ろうって…
玲於「一生大事にしろよ。」
A「…一生大事にします。」
はちみつれもんと
キーホルダー
また、宝物が増えた
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ゆづき(プロフ) - きなこさん、初めまして！だいぶ時間が経っていて、もうコメントを見ることはないかもしれませんが、、とてもキュンキュンして、人間の小さい心の動きをうまく言葉に起こしている部分に特に感動しました！♡2章も楽しんで読ませていただきます！ (6月7日 22時) (
レス) @page50 id: bfb37b3d55 (このIDを非表示/違反報告)
kaoris10(プロフ) - お気に入り登録してます！毎度ウルウルです！塩な彼氏と〜のパスワード教えて頂きたいです！ (2020年2月14日 23時) (レス) id: 9b17de759e (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - とても面白いです！(T^T)更新待っています！ (2019年2月16日 2時) (レス) id: 3b0746b685 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - また一話から読み返しています。もう何回目？って言うくらい読み返しているのに、また切なくて泣いてしまいます。この物語のチカラに驚いております。 (2019年1月23日 1時) (レス) id: eef139c402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 久々のきなこさんのお話し、今回も楽しく読ませていただいております！今後の展開もとても気になるところです。きなこさんのお話を読んでると純粋に人を好きになって恋をしたくなります、、それくらい素敵なお話しをありがとうございます！ (2018年5月7日 21時) (レス) id: 97c32faec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年4月21日 21時
