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わたしも? ページ28





ペットボトルを持つ手
震えて、力入らなくて


玲於「うわ、なになに。落としたよ。」


ほら、って
床に転がったペットボトルを拾い、手渡してくる先輩
ありがとうございますも言えないまま
それを受け取った

…どうしよう
わたし、いま、どんな顔してる?
笑顔が引きつる
声も出ない


亜嵐「あ、玲於…と、Aちゃん!」


そんなとき、後ろから声をかけてくれたひと
白濱先輩だ
ん?って、キャップ取って、わたしの顔覗き込んでくる


亜嵐「…なんかあった?」

玲於「え?何も。偶然ここで…あ、今サヤさんに会った。亜嵐くんにもよろしくねってさ。」

亜嵐「え、」

玲於「昨日もバイト前に会ったけどさ、やっぱなんか、学校で会うと変な感じ。笑」

亜嵐「…あー、うん。まあそうだよね。笑」

玲於「うん。…あ、俺食券買ってねえ。じゃあ亜嵐くんコイツ頼むわ。」


わたしの肩ぽんって叩いて
歩いて行ってしまった佐野先輩
手が触れた肩、じんじんする
痛いんじゃなくて、熱い


亜嵐「…Aちゃん、大丈夫?」

A「…え?」

亜嵐「…嫌だったでしょ、サヤちゃん。」


見上げたら、白濱先輩の大きな目
じぃってわたしを見てた
…あれ、なんか泣きそう。なんで?


亜嵐「マユミんとこ行こ。ね。」


優しく頭ぽんぽんってされて
余計苦しくなる
ちらって遠くを見たら、券売機のとこで友達と喋ってる、佐野先輩の背中

…彼女、いるよね
だってあんなにカッコいいもん
カッコよくて、根っこ、すごく優しくて
誰でも好きになるよ
……誰でも?
…それって、わたしも?


マユ「あ、先輩も来た。」

亜嵐「あーうん。ちょっと、マユミ、非常事態だ。」

マユ「え?」

亜嵐「…玲於に彼女がいること、Aちゃんにバレた。」

マユ「……え、待ってください、佐野先輩彼女いたんですか?わたしも知らないですよそれ。」


早く言ってよ!って、マユちゃん、すごく怒ってる
ため息つきながら椅子に座ったら


マユ「A、大丈夫?見ちゃったの?彼女。」


眉間にシワ寄せながら聞かれる、そんなこと


A「うん、見ちゃった。」

マユ「どんな人だった?」

A「…モデルさんみたいだった。すごい綺麗だった。」

マユ「はぁー…マジで…」

亜嵐「うん、あのねー…今3年のひとなんだけど、2年連続ミスキャンパスでグランプリとってるんだよねー…」


…うん、納得だよ
だって、本当に綺麗だったから


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ゆづき(プロフ) - きなこさん、初めまして!だいぶ時間が経っていて、もうコメントを見ることはないかもしれませんが、、とてもキュンキュンして、人間の小さい心の動きをうまく言葉に起こしている部分に特に感動しました!♡2章も楽しんで読ませていただきます! (6月7日 22時) (レス) @page50 id: bfb37b3d55 (このIDを非表示/違反報告)
kaoris10(プロフ) - お気に入り登録してます!毎度ウルウルです!塩な彼氏と〜のパスワード教えて頂きたいです! (2020年2月14日 23時) (レス) id: 9b17de759e (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - とても面白いです!(T^T)更新待っています! (2019年2月16日 2時) (レス) id: 3b0746b685 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - また一話から読み返しています。もう何回目?って言うくらい読み返しているのに、また切なくて泣いてしまいます。この物語のチカラに驚いております。 (2019年1月23日 1時) (レス) id: eef139c402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 久々のきなこさんのお話し、今回も楽しく読ませていただいております!今後の展開もとても気になるところです。きなこさんのお話を読んでると純粋に人を好きになって恋をしたくなります、、それくらい素敵なお話しをありがとうございます! (2018年5月7日 21時) (レス) id: 97c32faec9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2018年4月21日 21時

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