甘酸っぱい ページ22
．
亜嵐「あ、もう着いた？」
A「はい。」
亜嵐「家まで送ろっか。」
A「いえ、大丈夫です。今日はありがとうございました。」
亜嵐「うん。じゃあまた明日ね。気をつけて。」
ぺこって頭下げて、電車を降りた
階段を下りながら、白濱先輩と佐野先輩は、全然違うなあって、ぼんやり思う
白濱先輩は、初対面の時からあんな感じで
きっと誰にでも、同じ態度
それって簡単にできることじゃないよ
わたしだって人見知りひどいから、どうしても緊張しちゃうもん
でも佐野先輩は…
改札を抜けて、目に入った自動販売機
立ち止まって覗いたら、まだ 売られてた
ホットのはちみつれもん
お財布から130円出して、買ってみる
今日はあったかい日だけど、でも、やっぱり手に持つとじわあって優しさが伝わってきて
思い出すの
あの日、Aちゃんは子どもだからはちみつね、って、そんないじわるなこと言った、佐野先輩のこと
キャップを開けてひとくち飲むと
広がる、甘酸っぱい香り
…先輩、今何してるんだろう
バイトかなあ
だいたい、なんであんなにバイトしてるんだろ
だって、4つも掛け持ちって…相当だよ
何か欲しいものでもあるのかなあ
なんて、そんなこと考えながら一人歩いてたら
ポケットの中で、携帯が震えた
立ち止まって見てみたら
玲於 [ バイト終わった？ ]
わあ！って、思わず携帯放り投げそうになる
だ、だって！佐野先輩からラインきたの、初めてだもん！
それにちょうど今先輩のこと考えてたし…
心臓、バクバク
後ろから自転車が来てたから、慌てて避けて、バス停の椅子に座った
[ 終わりました ]
送ったら、すぐ既読がついて
玲於 [ どうでした？初バイト ]
[ 緊張したけど楽しかったです。白濱先輩と一緒だし、みんな優しかったから ]
玲於 [ そっか、ちびっこに埋もれなかった？笑 ]
[ 埋もれないです、わたしそんな背ちっちゃくないですもん ]
玲於 [ いやいや、Aがチビだから俺までマユちゃんにチビ扱いされるんじゃん ]
え、A？
今までAちゃんって呼んでたよね？
びっくりして、固まっちゃう
…いやでも、これラインだし
ちゃんって付けるの忘れて送っちゃったのかな
…うん、きっとそうだよ
じゃなきゃ、ありえない
でもなんて返事したらいいか分かんなくて
ふいって、うさぎさんがそっぽ向いてるスタンプ送った
緊張してるの、伝わりませんようにって 願いながら
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ゆづき(プロフ) - きなこさん、初めまして！だいぶ時間が経っていて、もうコメントを見ることはないかもしれませんが、、とてもキュンキュンして、人間の小さい心の動きをうまく言葉に起こしている部分に特に感動しました！♡2章も楽しんで読ませていただきます！ (6月7日 22時) (
レス) @page50 id: bfb37b3d55 (このIDを非表示/違反報告)
kaoris10(プロフ) - お気に入り登録してます！毎度ウルウルです！塩な彼氏と〜のパスワード教えて頂きたいです！ (2020年2月14日 23時) (レス) id: 9b17de759e (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - とても面白いです！(T^T)更新待っています！ (2019年2月16日 2時) (レス) id: 3b0746b685 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - また一話から読み返しています。もう何回目？って言うくらい読み返しているのに、また切なくて泣いてしまいます。この物語のチカラに驚いております。 (2019年1月23日 1時) (レス) id: eef139c402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 久々のきなこさんのお話し、今回も楽しく読ませていただいております！今後の展開もとても気になるところです。きなこさんのお話を読んでると純粋に人を好きになって恋をしたくなります、、それくらい素敵なお話しをありがとうございます！ (2018年5月7日 21時) (レス) id: 97c32faec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年4月21日 21時
