ただいま、初恋【佐野玲於】

バイト ページ18

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次の日の夕方
約束通り、白濱先輩とふたりで課題をしてた
昨日の夜ラインしてくれたおかげで、色鉛筆、忘れずに済んだし


亜嵐「…あれ？ここって何色？」

A「紫です。紫。」

亜嵐「あー紫か。」


色相環の色塗り
わたしはこういうの好きだけど、白濱先輩、ちょっと苦手みたい

5限後ということもあって、カフェはガラガラ
さっきまでマユちゃんがいたけど、バイトだからって帰っちゃった
だから、ふたり
ちょっとだけ緊張


亜嵐「はあ…終わんねえ。」

A「でも、あとちょっとです。」

亜嵐「そうねー…腹減ったー！」


ついに集中が切れたのか
色鉛筆放り投げて、項垂れてる先輩
その姿見て思い出す


A「…グミ、食べますか？」

亜嵐「グミ？」


途端に起き上がってわたしを見上げる
その顔がかわいくて、ちょっと笑っちゃった


A「わたし、すぐお腹減るから、いっつもグミ持ってるんです。」

亜嵐「ふは、なんでグミ？笑」

A「え？好きだから。」


はいってひとつ手に乗っけてあげたら
ぱくって食べて、うん美味いって呟いてる
グミの中でも、これが一番好きなの。りんごの味する


亜嵐「じゃあねー、食べ物の中だったら何が一番好き？」

A「……グミ。」

亜嵐「グミ。笑」

A「白濱先輩は？」

亜嵐「えーとね、肉！」

A「わあ、すご。アバウト！」

亜嵐「男はね、肉食っときゃいいから！」

A「ふふ、そうなんですか？」

亜嵐「うん。まあでもねー、俺も玲於もめっちゃ肉食うのに、昨日も話したけど、身長伸びないからねー…笑」

A「でも、がっちりしてますよね。」

亜嵐「まあね、玲於なんか特に！そういや今日玲於…あ、バイトか。」


そう呟いて、青の色鉛筆を手にする白濱先輩
…佐野先輩、バイトなんだ
もしかしたら今日、佐野先輩も一緒に来るかなあって思ってたんだけど


A「…佐野先輩、バイト何されてるんですか？」

亜嵐「ん？今日は多分焼肉かな。」

A「…今日は？」

亜嵐「あいつめっちゃ掛け持ちしてるから！焼肉と居酒屋と…派遣2コ！」

A「4つも！？」

亜嵐「うん、基本は焼肉と居酒屋だけらしいけど、土日は派遣の方が稼げるってそっち行ってるよ。なんかね、扶養外れるから手渡しのバイト探してんだって。笑」


そんなに…
凄いなあ、元気すぎる
身体、壊さなきゃいいけど


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