透明? ページ15
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亜嵐「…昨日?なに?」
佐野先輩の後ろ姿が見えなくなったあと
こっそり聞いてくる白濱先輩
見上げて、答える
A「昨日駅で別れる時に、はちみつれもん、買ってくれたんです。ホットの。」
亜嵐「えー、そうなんだ。やっさしー。昨日の夜ちょっと寒かったもんね。」
A「はい。嬉しかったあ…」
思い出しただけで、にやにやしちゃう
あんなことされたの、生まれて初めてだもん
亜嵐「ふは、Aちゃん、慣れてないんだねー。彼氏いたことないでしょ。」
A「え、」
亜嵐「ほら図星!」
A「…なんで?」
亜嵐「んー、なんか分かるね。透明な感じ。」
A「透明…?」
それって、陰が薄いとか、そういうこと?
亜嵐「ずっとそのままがいいよ。まあ、変な男が寄ってきちゃうかもしんないけど、俺が撃退してあげるから大丈夫!」
A「撃退?それって、痛い?」
亜嵐「うん。もう、とびっきり痛い!二度と立ち上がれないくらいね!」
A「ええ、それはかわいそう。」
亜嵐「へーきへーき。きっとその時は、Aちゃんの方がかわいそうな状況だと思うから。ざまあみろ!ってね。」
意味わかんないことばっかりで、パンクしそう
必死に考えてたら、白濱先輩、また笑った
亜嵐「いいのいいの。ね、俺コレ買うから。課題一緒にしようよ。明日の放課後とかどう?」
A「ぜひ!じゃあ色鉛筆持ってこなきゃ。」
亜嵐「うん。忘れないでよー、あ、ラインしてあげよっか。」
A「…いいんですか?」
亜嵐「いいよ、その代わりドタキャン無しね!」
もちろんですって答えたら
よしよし!って、強めに頭を撫でられた
またびっくり
白濱先輩って、なんか、基本的に距離が近い
そのあとお会計を済ませて
そのままカフェに向かう
端っこの丸テーブルに、リュックから取り出したペットボトルを置いた先輩は
お昼はココ集合ねーって、優しく笑った
嬉しいな
お昼、一緒にいられるんだ
佐野先輩も来るよね?
…嬉しい
亜嵐「また嬉しそうな顔しちゃって!笑」
A「…だって、嬉しくて。」
亜嵐「…玲於?」
頷いたら、そっか、って
A「…昨日の夜まで、佐野先輩ってこわいひとだって思ってたけど…そんなことないって分かったから。」
亜嵐「…うん、玲於は優しいよ。でも」
先輩が何か言いかけたとき
チャイムが鳴り響く
やばい授業だって走り出した先輩
ちょっと笑って見送る
…何、言いかけてたんだろう
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ゆづき(プロフ) - きなこさん、初めまして!だいぶ時間が経っていて、もうコメントを見ることはないかもしれませんが、、とてもキュンキュンして、人間の小さい心の動きをうまく言葉に起こしている部分に特に感動しました!♡2章も楽しんで読ませていただきます! (6月7日 22時) (レス) @page50 id: bfb37b3d55 (このIDを非表示/違反報告)
kaoris10(プロフ) - お気に入り登録してます!毎度ウルウルです!塩な彼氏と〜のパスワード教えて頂きたいです! (2020年2月14日 23時) (レス) id: 9b17de759e (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - とても面白いです!(T^T)更新待っています! (2019年2月16日 2時) (レス) id: 3b0746b685 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - また一話から読み返しています。もう何回目?って言うくらい読み返しているのに、また切なくて泣いてしまいます。この物語のチカラに驚いております。 (2019年1月23日 1時) (レス) id: eef139c402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 久々のきなこさんのお話し、今回も楽しく読ませていただいております!今後の展開もとても気になるところです。きなこさんのお話を読んでると純粋に人を好きになって恋をしたくなります、、それくらい素敵なお話しをありがとうございます! (2018年5月7日 21時) (レス) id: 97c32faec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2018年4月21日 21時