2分の1ガールフレンド3【佐野玲於】

肉まん ページ48

Aside




玲於「…あーもうあんま近寄んな。」


A「なんでそんなこと言うの？ひどい。」


玲於「……貸さなきゃよかった…」


A「何を？」


玲於「…ジャージ！」



はあ、ってため息ついて
わけわかんない
でもなんか、耳赤くて、かわいいから許す



A「…玲於くん、」


玲於「…なに。」


A「……助けに来てくれて、ありがとう。」



言いながら頭下げたら
玲於くん、ふふって得意げに笑って



玲於「…ま、スーパーヒーローだからね。」


A「うん、ほんとにそうだって思った。」


玲於「…やっぱさ、杉野くんには任せらんないわ。」


A「杉野くん？」


玲於「うん。…ね、あんな弱っちい男やめなよ。お前にはもっと筋肉質な男がお似合いだから。」


A「……何言ってるの？」



よくわかんないけど
玲於くん、なんか楽しそう
ほんと、よくわかんないけど



玲於「……よし、じゃあ肉まん食お。半分こね。」


A「プレミアム？」


玲於「もちろん。」



袋から取り出した肉まん
玲於くん、半分に割ってくれた



A「…なんかそっちの方が大きい、そっちがいい。」


玲於「…ふふ、こっちがいい？」


A「うん。」


玲於「仕方ねーな。」


A「やった、いただきます。」


玲於「どーぞ。」


A「…おいしい！」



もぐもぐしながら言ったら
玲於くん、あははって声出して笑い始めた
びっくりして、喉つまりそう



A「な、なに？何か言った？わたし…」


玲於「いや、笑 ほんとおもしれーわ、A。ほんっとおもしろい。」


A「え？」


玲於「…はぁーあ、久々こんな笑った。」


A「そうなの？」


玲於「うん。」



…一緒に暮らしてた女のひとは
一体なんだったんだろう

気になるけど
今は我慢
今は、もう、いい



A「…あのね、もう二度とね、わたしに出てけなんて言わないで。泣いちゃうから。」


玲於「ふは、泣いてたね。ごめんごめん。」


A「もお、本気で言ってるの。」


玲於「わかってるって、もう言わない。俺ちょっとおかしかったから。でももう平気。」



言いながらわたしの頭に手置いて
ごめんって 言ってくれた



玲於「…でも、やっぱジャージ貸したのは間違いだった。」


A「…ぶかぶか。」


玲於「…そういうこと言わないで、ほんと。」




何はともあれ
また、ここに戻ってこられた

やっぱり玲於くんが好きって
再確認した一日


．

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