足音 ページ45
Aside
もう何分こうしてるのか分からなくて
頭、おかしくなりそう
相変わらず寒い、痛い、怖い
雨は一向に止まない
しかもこの道、本当に人通りが少なくて
ていうか、ほぼなくて
さっきちょっと怖そうなお兄さんが歩いてたけど
話しかけるのはおろか、気付かれないように必死に気配消した
怖かったから
ああ、どうしよう
…そうだ、地図で場所調べたらいいんだ！
……充電切れてるんだった
…そうだ、警察に！
……充電切れてるんだった
…はあ
こんなコントみたいなこと、してる余裕ないのに
風のせいで、軒下にいても
雨、ちょっとかかる
コートはもうびしょびしょで、身体、芯から冷えてる感じ
…なんだっけ、あれ
低体温症みたいなの、なりそう
ざーって雨の音聞いてたら
なんか眠くなってきて、思わず目を瞑る
真っ暗な世界の中
寝たらしんじゃう気がして、必死に色んなこと考えてた
…雨が止んだら、まずコンビニに行こう
あったかい飲み物と肉まん買って
それで、頑張って家帰って
お風呂入ってから、肉まん食べて…
そうだ、お味噌汁つくろう
マオちゃんに教えてもらったお味噌汁
あれ作ったら、玲於くんが…
ずっと我慢してた涙、ぽろって、頬っぺたに落ちた
みそ汁うまかったって、ホワイトボードに書いてくれたこと
わたし、ちゃんと覚えてるよ
嬉しかったから、ずっと覚えてるよ
今まで我慢してたぶんの涙、一気に溢れてくる
ひくひくってなるのが苦しくて
でも止まんない
れおくん、あいたいよ
どこにいるの
意識がだんだん遠くなっていく
やばい、寝ちゃう、ダメなのに
ダメなのに…
そう、思ったとき
遠くから
誰かの足音がした
雨水を弾くくらい、強い
…走ってる
薄っすら目を開けたら
そのひとの靴、わたしの前で止まって
はあ、はあ、って
息、整えてて
そして
玲於「……やっと見つけた…」
聞こえたのは、玲於くんの声だった
ゆっくり顔上げたら
暗くてよくわかんないけど
ちゃんと、玲於くん
なんでここにいるのか
意味わかんなくて、ぐちゃぐちゃになって
涙が止まらない
そんなわたしを見て
玲於くん、同じ目線にしゃがんで
そのまま、ぎゅって抱き寄せてくれた
…あったかい
玲於くんのにおい
だいすき…だいすき
玲於「……もう、大丈夫だよ。」
胸が張り裂けそうなほど
幸せでいっぱいだった
このまま死んでもいいって、本気で思った
わたしのスーパーヒーローは
やっぱり、玲於くんしかいない
．
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もっころっこ(プロフ) - 久々に読んでたら、宇多田ヒカルの初恋がテレビから流れてきて、めちゃくちゃ合ってるじゃないか...。って感動しちゃいました（笑） (2018年9月20日 20時) (
レス) id: be6c48a40e (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ - やっぱりきなこさんのお話は素敵で涙が出ます(＞＜) (2018年1月19日 21時) (レス) id: a1e311b4a1 (このIDを非表示/違反報告)
godhand0702(プロフ) - かなこさんさすがです！これからも更新だどんとお願いいたします！毎日日課で読んでます！死ぬほど楽しみです！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - キナコさんの書く小説いつも見てます！とくにユアマイドール好きです！更新頑張ってください！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: ba0333c375 (このIDを非表示/違反報告)
れーーーな(プロフ) - ああああよかったぁぁ！やっと！やっと戻ってこれた！！すれ違いばかりで、ほんとに、おいこら！佐野のバカ！と叱りたくなるくらいだったんですけど、やっと玲於くんが主人公の大切さに気づいてくれた…本当によかったです！今日は幸せな気持ちで寝れます！笑 (2018年1月19日 3時) (レス) id: 668b46cbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年1月6日 21時
