2分の1ガールフレンド3【佐野玲於】

変なの ページ38

Aside




杉野くんと遊ぶ予定の
土曜日の朝

ベッドから出たらすごく寒くて、慌ててストーブをつける
貧乏だからショボいのしかないけど、無いよりはマシ


昨日作った野菜スープ温め直して
カップ一杯だけ飲んで、朝ごはん終わり
食欲ないもん
でもなんか、肉まんとかは食べたい気はする
やっぱり根っこがおデブなのは変わんないみたい

…はあ
こんなに落ち込んでるんだから
体重も落ちてくれたらいいのに
人生上手くいかないなあ


せめて気分上げようって、とっておきの可愛い服を着た
マフラーもこの前買ったやつ巻いて
髪にはちゃんとリボンをつけた

サコッシュ肩にひっかけて
いってきますって家を出る


鍵閉めて自転車に乗ろうとしたら
ふと、昨日の夜に見た 天気予報を思い出して


…今日の夜、雨か雪って言ってた
どうしよう
杉野くん、今日は18時からバイトでそれまでにはバイバイする予定だけど
でも、雨、夕方から降っちゃったら嫌だな
雨だったら自転車乗れないよ
わたし、傘さしながらなんて器用なことできないし


すごく悩んだけど
やっぱり今日の可愛い服、濡らすの嫌で
ブザー持ってるし平気って、傘を手に駅に向かった







A「杉野くん、久しぶり。」


杉野「あっ、久しぶり。」



2週間ぶりくらいに会う、杉野くん
やっぱ今日もかっこいい…けど、なんかそわそわしてる



A「…どうかした？」


杉野「いや！…あの、いや、今日自転車で来た？」


A「ううん、今日は歩き。」


杉野「えっ、なんで？」


A「なんで？…今日は夜から雨だし。ほら、傘持ってきたの。」


杉野「雨か…」


A「え？どうしたの？なんか変だよ。」


杉野「…いや、なんでもない。」


A「…隠し事？」


杉野「…ごめん、でも、言ったら俺の母さんが不倫…」


A「ふ、ふりん！？」



ついおっきい声だしたら
杉野くん、しぃー！って怒って
その姿に慌てて両手で口を塞いだ

不倫？なに？
わかんないけど、これ以上聞かないでって顔してるから、我慢


わたしのことちらちら見て
たまに、勢いよく後ろ振り返ったりして
なんなの？って感じだけど
杉野くんってたまに変なことするから、これもその延長かな、なんて




A「今日、18時からだっけ、バイト。」


杉野「あっうん、そう。ごめんねいっつも。」


A「ううん、平気。」



今日はお互い試験前だから
ショッピング終わったら、ファミレスで勉強しよーって約束


．

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