間違ってる ページ32
玲於side
その日の仕事後
楽屋で騒いでるメンバーをよそに
タヌキのキーホルダーをぼーっと眺める
Aが投げつけた、合鍵
音立てて床に落ちて、俺のこと、寂しそうに見上げてた
…これでいいんだよね
ひとつ息を吐いて顔を上げたら
ぱちって目が合った、亜嵐くん
無意識に逸らしたら、立ち上がって
こっち来て
亜嵐「どしたの、鍵なんか見つめちゃって。」
言いながら 俺の隣に座った
玲於「…別に。」
亜嵐「えー…てかなにこのタヌキ。笑 …タヌキ…あ、Aちゃん！？」
いやいや
うちのリーダーこんな鋭いの？
やめてよほんと
一瞬で閃いちゃったじゃん
玲於「…まあね。」
亜嵐「Aちゃん鍵忘れてったの？」
玲於「…いや。」
亜嵐「え？」
玲於「なんでもない。」
亜嵐「もしかして出てった？それとも追い出した？」
玲於「……。」
亜嵐「え、追い出したの？なんで？ひど。」
俺の手から、ひょいって鍵取って
もっかい、なんで？って
玲於「…亜嵐くんには関係ないじゃん。」
亜嵐「関係なくねーよ、リーダーだもん、俺。」
玲於「…なんすかその理由。」
亜嵐「……この前隼が言ってた、今一緒に住んでる人って何？あんなに心配してたAちゃんのことひとりにしてまで、一緒にいたい人？」
突然そんな真面目なこと聞いてくる
…なんなんだよ
その、全部知ってるよって口調
ちらってみんなのこと見たら
各々イヤホンつけて携帯触ってたり
メンさんのパソコン囲んで騒いでたり
誰も俺らのこと、気にしてない
玲於「……亜嵐くん、俺、Aが好きなんだよ。」
亜嵐「…うん。知ってる。」
玲於「知ってるって…」
亜嵐「いやだって分かりやす過ぎんだもん。一緒に働いてる男が気になるからって、バイト先まで偵察行く？普通。」
玲於「…それはだって、心配で…」
亜嵐「いや限度ってもんがあるじゃん、でも玲於は変だったよ。恋っていうか、愛？好きっていうか、愛してる？なんかもーね、そういうレベル。」
玲於「…そうかな。」
亜嵐「ま、こういうのは本人たちは気付かないもんだからね。…で？なんで好きな子いるのに他の女と暮らしてんの。」
玲於「……似てんの、Aに。」
亜嵐「え？」
玲於「……顔が、さ。ほんとそっくりで…見てたら落ち着く。」
そう呟いた俺のこと
亜嵐くん、じっと見つめて
そして 口を開いた
亜嵐「…玲於、それは絶対に間違ってる。」
．
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もっころっこ(プロフ) - 久々に読んでたら、宇多田ヒカルの初恋がテレビから流れてきて、めちゃくちゃ合ってるじゃないか...。って感動しちゃいました（笑） (2018年9月20日 20時) (
レス) id: be6c48a40e (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ - やっぱりきなこさんのお話は素敵で涙が出ます(＞＜) (2018年1月19日 21時) (レス) id: a1e311b4a1 (このIDを非表示/違反報告)
godhand0702(プロフ) - かなこさんさすがです！これからも更新だどんとお願いいたします！毎日日課で読んでます！死ぬほど楽しみです！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - キナコさんの書く小説いつも見てます！とくにユアマイドール好きです！更新頑張ってください！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: ba0333c375 (このIDを非表示/違反報告)
れーーーな(プロフ) - ああああよかったぁぁ！やっと！やっと戻ってこれた！！すれ違いばかりで、ほんとに、おいこら！佐野のバカ！と叱りたくなるくらいだったんですけど、やっと玲於くんが主人公の大切さに気づいてくれた…本当によかったです！今日は幸せな気持ちで寝れます！笑 (2018年1月19日 3時) (レス) id: 668b46cbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年1月6日 21時
