2分の1ガールフレンド3【佐野玲於】

大人の付き合い方 ページ16

玲於side





突っ立ってる俺に気付いて
おっさん、ちらって視線を向けてきた

たぶん、早くどっか行け、って意味で


でも、いや
ミホちゃんだよね？



横顔チラチラ見えるくらいだから確信は持てないけど
でも、たぶんミホちゃん




玲於「おっさん、やめろって。」




面倒ごとに口を出すのは嫌いだけど
イヤイヤって抵抗してる姿が、どうしてもAと重なって
つい


おっさんの手を引き剥がした俺のこと
女の子、見上げて 目が合う

…やっぱりミホちゃんだ




ミホ「…レオさん…？」


玲於「…大丈夫っすか。」


ミホ「うん…」




びっくりしたのか、放心状態

そんなミホちゃんとおっさんの間に立って、店員さん呼びましょうかって言ったら
おっさん、ちょっとからかっただけなのに、なんて 子どもみたいな言い訳して店から出てった




玲於「…知り合いの人？」


ミホ「…あの、会社の上司で…」


玲於「うわ、マジっすか。」


ミホ「でも、全然関係ない部署のひとだから、いいの。ありがとう。今日も無理やりご飯連れてこられて、参ってたんだ。」




はあ、ってひとつため息ついて
ごめんね なんて呟いてる

俺何もしてないのに




玲於「…にしても、偶然っすね。」


ミホ「うん、…仕事帰り？」




…店では敬語なのに
外で会ったら、こんな感じなの

すっげーズルくね
慣れてんな、このひと



酔ってるからか
それとも、寂しいからか
だんだん顔を出す、男のダメな部分




玲於「……もう、帰るんすよね。」


ミホ「うん。」


玲於「…送ります、家まで。」




ミホちゃん、一瞬戸惑った顔を見せたけど
すぐ、いいの？って 嬉しそうに聞いてきて

…ほら
やっぱ大人だ

大人の付き合い方、知ってる



店出て待っててって言い残し
個室に戻った




亜嵐「あ、遅かったね玲於。」


隼「次何飲む？同じの？」


玲於「いや、ごめん俺、先に抜けるわ。」


隼「え！？」


玲於「あと隼、たぶん今日帰んないから、よろしく。」




テーブルに五千円札置いて
そそくさと部屋を出る

店の前、ちゃんと待ってくれてて




玲於「おまたせ。」


ミホ「ううん、……家、歩いて帰れる距離なんだけど…」


玲於「…じゃあ、歩いて帰ろっか。」




うんって頷いたミホちゃんと
ふたり、並んで歩く


背丈とか体格までAとそっくりで
なんかもう、頭がおかしくなりそうだ



Aじゃない？
ほんとに、違う？



…今隣にいるのは、誰？



．

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