終わるんだ ページ23
玲於side
晩飯を終え、風呂に入り
もう一度寝室へ向かう
ベッドはひとつ
これで何もしてないって、絶対嘘だろって言われると思うけど、ほんと
ミホ「明日何時に起きる？」
玲於「8時でいいや、ちょっとゆっくり。」
ミホ「じゃあたぶんわたしの方が先に家出ると思うから。」
玲於「ん。」
電気消すねって呟くミホちゃん
うんって頷く俺
隣に寝転んだその横顔を眺めて
満足して、目を閉じる
ミホ「……ねえ、レオ。」
玲於「…ん？」
ミホ「腕時計、ちゃんとつけてる？」
玲於「…寝るときは外す。リビング置いてるよ。」
ミホ「……そっか。」
玲於「…うん。」
ミホ「……あのさ、変なこと聞いてもいい？」
玲於「ん？」
ミホ「……あの子のこと、まだ好きなの？」
唐突な質問に、思わず目を開く
今までずっと
Aの話はしてこなかったのに
玲於「…どしたの、突然。」
ミホ「…ちょっと、気になって。」
玲於「……好きだよ。」
ミホ「…ほんとに？」
玲於「……うん。好きだけど…でも、まあ、やめなきゃな、とは思ってる。」
ミホ「……そっか。」
玲於「……うん。」
ミホ「…だったら、さ、」
ゆっくり、俺の方に寝返り打って
暗い中、上目遣いで
…出会った頃のミホちゃんとは、別人みたいだ
ミホ「…その子に…」
カチ、カチ、と
時計が進む音
遠に聞こえるのは、救急車のサイレン
空気清浄機のライト
全部、俺の世界の一部
ミホ「……その子に、出て行ってもらえばいいんじゃないかな。」
俺の世界の一部
その全部は、絶妙なバランスで保たれていて
だから、俺がここに存在してる
ひとつでも緩んだり、失ったり、壊れたりしたら
俺は俺じゃいられないのに
ミホ「…ストーカーの方もそろそろ平気だと思うよ。警察が絡んでるなら尚更。」
玲於「……うん。」
ミホ「…レオがその子を諦めるには、それが一番の近道だと思うの。…大事にする癖、やめなよ。ちゃんと突き放して…お願い。」
言いながら、俺の身体にしがみついてきたミホちゃん
拒否することなんてできなかった
できるわけなかった
この人は大人だ
この人の言うことが正しい
そっか
追い出すのか
最初から、一緒に住むなんてバカなこと許してなければ
そしたらきっと今も、俺はあいつを妹だって
心から言えてたはずなのに
…ああ
終わるんだ
一緒に笑い合った時間も
俺の気持ちも
…何もかも
．
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もっころっこ(プロフ) - 久々に読んでたら、宇多田ヒカルの初恋がテレビから流れてきて、めちゃくちゃ合ってるじゃないか...。って感動しちゃいました（笑） (2018年9月20日 20時) (
レス) id: be6c48a40e (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ - やっぱりきなこさんのお話は素敵で涙が出ます(＞＜) (2018年1月19日 21時) (レス) id: a1e311b4a1 (このIDを非表示/違反報告)
godhand0702(プロフ) - かなこさんさすがです！これからも更新だどんとお願いいたします！毎日日課で読んでます！死ぬほど楽しみです！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - キナコさんの書く小説いつも見てます！とくにユアマイドール好きです！更新頑張ってください！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: ba0333c375 (このIDを非表示/違反報告)
れーーーな(プロフ) - ああああよかったぁぁ！やっと！やっと戻ってこれた！！すれ違いばかりで、ほんとに、おいこら！佐野のバカ！と叱りたくなるくらいだったんですけど、やっと玲於くんが主人公の大切さに気づいてくれた…本当によかったです！今日は幸せな気持ちで寝れます！笑 (2018年1月19日 3時) (レス) id: 668b46cbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年1月6日 21時
