2分の1ガールフレンド【佐野玲於】

兄妹 ページ9

玲於side





そのあとおばちゃんに詳しく

コイツおじさんに家バレてんだよ
ベランダガラ空きなんだよ
友達は彼氏いるから邪魔なんだよ

って、熱弁して


結局、パパに代わるわね、って



そのあと聞こえたおじちゃんの声に ちょっとビビる




玲於「あー、おじちゃん、俺だけど…その、おばちゃんに聞いた？A、うちで預かるって。」


『ああ、今一緒に聞いてたよ。うーん、でもなあ。』




うわあ、だめかなあ

って、いやいや、なんで俺がこんな真剣に考えてんだ




『いくら幼馴染とはいえ、Aは女の子だしなあ。かと言って、他の男の家に入り浸るなんてことになったら、それは嫌だ。』


玲於「…俺、絶対手出さないよ。」


『…信用していいものかなあ。』


玲於「大丈夫。つーか今更Aのことそういう風に見れないって。妹じゃん、こいつ。」




言いながら、隣でぶすくれてるAの髪の毛

右手でわしゃわしゃ


やめてよって、ちょっとだけ笑った



すぐ表情変わる
ほんと子ども




『じゃあ、その言葉を信じてとりあえずお願いするよ。でももし何か間違いでもあれば、その時は』


玲於「大丈夫だから、それにほら、俺これでも稼いでるし、経済面でも安心でしょ。」


『それは安心だ。でも、Aの分の生活費は払うから、随時連絡するよ。』


玲於「はいはい、じゃあ娘さんお預かりします。」


『玲於くん、くれぐれも…』


玲於「手は出さない！」




はっきりそう言い切り
ふう、と一息ついて 携帯を下ろした



…ったく、Aが電話すればいい話なのに
なんで俺がこんな必死になんなきゃいけねえんだよ


なんて、内心イライラしてたけど





A「…ありがとう、お兄ちゃん。」




その一言で、もう全部どうでもよくなる

…ここでお兄ちゃんはずりいわ




玲於「…何、その捨てられた子犬みたいな目。大丈夫だって、ここいていいから。」


A「うん、でも、よく考えたら…わたし、すごく迷惑かけちゃうね。」


玲於「…今頃気づいた？」


A「うん。」


玲於「だから、俺が迷惑って思わないくらいに、お前が家事頑張ってくれればいいだけ。ね？」


A「…わかった。」


玲於「ん。じゃあもうこんな時間だし…とりあえずコンビニ行くか。」


A「ハーゲンダッツ食べたい。」


玲於「それは却下で。」






こんな感じで始まった、秘密の同居生活



兄妹みたいで

兄妹じゃない


そんな俺らの、騒がしい毎日




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