2分の1ガールフレンド【佐野玲於】

変わってない ページ7

玲於side






A「お、おじゃらします…」


玲於「はいどうぞ。」




なんでか緊張してるAを横目に
キャリーケースを部屋に上げる


ダンボールの墓場になってる、唯一余ってるこの部屋

まあ、ね、今週中には綺麗にしてやるよ




A「え？ここ？わたしの部屋？」


玲於「うん。」


A「…汚い…」


玲於「いやいや、部屋与えて貰えただけありがたく思えよ。」


A「なんでこんなにダンボールあるの？何をこんなに買うの？」


玲於「うるせえなあ、色々じゃん、色々。」


A「全部捨てていいの？」


玲於「いいよ。てか、俺が片付けるから置いといて。でも今日は無理、疲れてる。」


A「わかった。」




じゃあ今日はこっち、って リビングに連れて行く

そしたらA、一気に笑顔になって




A「すごい！やっぱり広いね。」


玲於「まあお前のボロアパートに比べたらね。」


A「ボロアパート？うーん、まあ、否定はできない。」


玲於「いや否定できないとかのレベルじゃないでしょ、なにカッコつけてんの。笑」


A「だってさ、あれでも半年以上住んでたんだもん。愛着湧いてるの。」


玲於「おじさんにバレなきゃね、まだ住んでられたのにね。」


A「ほんとだよ。許せない。」





許せない、って
そんな怒ってたんだ？笑


ほんとおもしれーわ

飽きない、相変わらず




A「あ、そうだ。ベッドとか、いつ移そう？誰か手伝ってくれるひと、いるかな。」


玲於「あーいや、もうめんどいし 新しいの買お。」


A「え、」


玲於「…プレゼントしますよそんくらい。」


A「本当？やった、ありがとう。」


玲於「ねー見て、ほら俺がここまで絞ってあげたから、こっから選んでよ。」


A「えー見せて見せて。」





そんなこと話しながら、ふたりでソファーに座った


ふわってAの匂いが頬を掠めて、なんかくすぐったい





A「わー、わたしこれがいい！」


玲於「やっぱ？お前絶対それがいいって言うと思った。」


A「さすが玲於くん。」


玲於「でしょ。あとほら、テーブルランプ買ってあげる。暗いとこじゃ怖くて寝れない〜って駄々こねるから。」


A「すごい、なんで覚えてるの？」


玲於「ん？まあ、なんとなく？」




嬉しいって 口に手当てて

くすくす、小さく笑ってる



なんかこっちまで笑えてくるよ

生まれた時から何も変わってないね



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