2分の1ガールフレンド【佐野玲於】

酔っ払い ページ48

Aside




コップ、ローテーブルに置いた玲於くん
はあ飲みすぎた、って 背もたれに寄りかかった



A「…ふたりで、なにお喋りしたの？」


玲於「んー…べつに。他愛もない話。」


A「楽しかった？」


玲於「うん。相変わらず美人だしね。それだけで満足。」


A「…サイッテー。」


玲於「男なんてこんなもん。」




…男、かあ




A「…玲於くん、わたしの前ではおにいちゃんなのに。なんか気持ち悪い、そんなこと言うの。」


玲於「…そんなこと言われたらもう俺一生恋愛できない。」




しなくていいよ
むしろ、しないで

言いたかったけど ぐっと堪える




玲於「やっぱお前さ、相当ブラコンでしょ。今日も俺のこと待ってたんでしょ。」


A「…そんなわけないじゃん。」


玲於「じゃあ読んでた漫画はどこ？」


A「…部屋で読んでたの。」


玲於「飲みかけのココアはここにあるのに？」


A「…やめてよ、意地悪。」


玲於「ふふ、かわいーな。そんなに俺が好き？」




言いながら
髪の毛わしゃわしゃしてくる




A「…もおやめて、酔っ払い。」


玲於「嬉しいくせに。」


A「そんなわけない。」


玲於「ユリちゃんにはこんなことできねえもんなあ。」


A「したら怒られるよ。」


玲於「うん、しない。」




ふふって小ちゃく笑ったあと
やばい酔ってるね俺、って呟いた


ちらって隣見たら
とろんてした目の玲於くん、天井を見上げてて




A「…おにいちゃん、」


玲於「…ん？」


A「…ユリさんの彼氏になったら…わたし、ここ、出て行ったほうがいい？」




綺麗な横顔を見ていたら
ふと、頭に浮かんだそんな疑問


もしかしてわたし
これが一番気になってたことかな

これが一番、不安だったことかな




玲於「…なに、そんなこと気にしてたの？」


A「…うん、ちょっとだけ。」


玲於「……バカじゃねーの。」


A「…バカって…」


玲於「こんなかわいい妹、放り出せるわけないでしょ。」




そう言って、わたしの頬っぺた
むにって摘んだ

…かわいい妹、だって




A「…やっぱり酔ってるね。」


玲於「もう、べろっべろ。」


A「でも、酔ってたほうが優しい。」


玲於「優しくされんの好き？」


A「…好き。」


玲於「じゃー優しくしてあげよ。」




…よくわかんないけど
出て行かなくていいみたい



よかった
これできっと、心から応援できる



．

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