2分の1ガールフレンド【佐野玲於】

味噌汁 ページ27

玲於side




暫く頬っぺたつついたりして、ひとりでけらけら笑ってた俺だけど

ダメだ、このままじゃAが風邪引く


布団持ってきてやろうかと思ったけど
ソファーなんかで寝たら身体痛くなるだろうし



…ったく
手のかかるヤツ




よいしょってその身体を抱きかかえ
部屋に運ぶ

ゆっくり、ゆっくり、ベッドに降ろし
肩まで布団を掛けてあげて サイドランプを点け、電気を消した



幸せそうな寝顔
なんの夢見てんだろ


おやすみって声かけて部屋を出て、そのまま水を飲もうとキッチンに入った

冷蔵庫を開けようとしたとき 目に入る




玲於「…マオちゃんのレシピ…？」



メモ用紙いっぱいに
丸っこい字とかわいいイラストで、3種類のレシピが書いてある


これ、Aが書いたんだよね？
料理、友達に習ったの？



もしかしてって振り向くと
コンロに置かれた鍋、美味そうな味噌汁が入ってた


俺が食いたいって言ったからだ


さすがに嬉しくて
お腹いっぱいだったけど、すぐ温め直して、カップに注いだ



ラグに座って いただきますって手を合わせる

ひとくち飲むと、じわーってあったかいのが身体に入ってきて




玲於「うま…」




思わず呟く
だって、ほんとに美味いから




あいつ、朝起きねーし 戦時中みたいなメシ食わせるし

ほんとやる気ねえじゃんって思ってたけど
案外そうでも無い？

わざわざ友達にレシピ聞いたりしてさ、たまにはやるじゃん



そういえば
毎日ちゃんと自分で決めた時間勉強してるし、わかんないって時々呟きながら、最後までやり通してるみたいだし


認めたくないけど
尊敬するとこ、いっぱいあんのかも




味噌汁の湯気をぼーっと見つめながら
そんなこと考えてた




…これ作るのも色々試行錯誤してくれて
もしかしたら、一緒に食べるの楽しみにしてたかな


ちらっと見上げるホワイトボード


俺のメッセージの下に、わかった！ってお返事が書かれてて




思わず立ち上がり
マグネットでくっついてるペンを手に取った



…素直すぎて気持ち悪い、とか言われるかな

まあ、それでもいっか
たまにはね、たまには




みそ汁うまかった




それだけ書き残して

ペンを戻し、ちょっとだけニヤけながら またラグに座った





…ほんの2週間前までは
ほとんど連絡取ってなかったのに


やっぱ、ガキの頃からの仲だからかな



A相手だと、気が楽だ


．

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