恋愛アレルギー2【佐野玲於】

大人 ページ35

玲於side






気付いた時にはもう遅い

なんてことが、俺の人生には多く存在して




例えば



高校の時留学行きたかったのに、気付けば説明会終わってた、とか


好きなバンドのライブ、気付けばエントリー期間過ぎてた、とか



…体の関係になるのはまだ早いって思ってたコなのに、気付けば ソファーの上で馬乗りになってる、とか






玲於「…あの…いや…」


A「……えっと…」





…ヤバい


耐えろ、俺




まだ早い

まだ早い



付き合って1ヶ月も経ってないのに

俺、そんな軽い男じゃないよ




大事にしたい、っていうか

今、これでもかってほど大事にしてるから



こんなとこで理性飛ばすわけには…





…って、俺、ちゃんと思ってたのに







A「…佐野くん、なんか、ドキドキするよ…」







ちびっこくて天使みたいな俺の彼女が

未経験で何も知らない俺の彼女が



そんな、可愛らしいこと言うから。




ついつい顔を出す

俺の、ダメなところ






玲於「…ドキドキすんの？」


A「…うん、」


玲於「…もっと、欲しい？」






言いながら、Aの前髪を触る。



恥ずかしそうに火照らせた目が、俺を見上げて




…ああ、ほんとにヤバいかも。







玲於「…キスだけ。」


A「……さのくん、」


玲於「…絶対、キスだけ。」






確信のない、絶対


言い終える前に、唇を重ねた。




俺の鼻が、Aの頬を撫でて

代わりに俺の頬に触れるのは、Aの長い睫毛




途切れそうになる理性をなんとか保ちながら

Aの髪の間に指を入れて、そのまま頭を撫でた。






玲於「……好きだよ、A。」


A「…わたしも、好き、」






息継ぎの間に交わす、そんな愛の言葉も

お互いを抱きしめる、腕の力も





全てが特別


他の何にも変えられない






そっと、Aのブラウスのボタンに手をかける





1個


2個




…外したところで、我に返って







玲於「…うっわ…危な…」


A「あ、危な…」


玲於「…ちょ、待って、無理だ。A、あの…ごめん。」





ソファーの上


Aの手を引っ張って起き上がらせて、向かい合わせで座って






玲於「…ここから先は、まだちょっと早いかな。」


A「…早い？」


玲於「…うん。…俺、ちゃんと我慢するから…早く大人になって。」


A「…もう大人だよ、」





お前はまだ子ども、って

ひとつ息を吐きながら頭を撫でた。



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