恋愛アレルギー2【佐野玲於】

泣いてる ページ31

玲於side






男女別の体育の授業が終わって

涼太くんとふたり、ダラダラ着替えていた時のこと






ユカ [ Aが泣いてる ]






イッチーから、そんなラインが届いて。



もうほんと、最近で一番くらいの本気ダッシュで Aたちがいる教室に向かった。



勢いよくドアを開けると

両手で顔覆いながら、ほんとに泣いてる彼女の姿






玲於「ちょ、なにどうしたの、」


ユカ「うわ、来んの早。」


玲於「いいから…ね、A、どした？」






しくしく

すんすん



なんか、すげー泣いてる




誰かにいじわるされた？

体育でどっか怪我した？

それとも…って、めちゃくちゃ心配してたのに






A「…ナオくん、の、イベント…外れ、た、」


玲於「……はあ？」





ナオくんのイベント、外れた？


マジで何言ってんの、こいつ。



つーかナオくんとかほんと久々に聞いたし

まだ好きだったの？って感じだし

てか、イベントってなんだよ。





玲於「…よく分かんないけどさ、泣くことじゃないでしょ。びびらせんなよ、マジで。」


A「…泣くことだもん、佐野くんには分かんないもん。」


玲於「…イベントってなんなの。」


ユカ「チェキ会、だって。」


玲於「チェキ会？」


ユカ「ナオくんとチェキ撮れるの、Aすごく楽しみにしてたのに。」





…ナオくんと、チェキ…





玲於「…お前さあ、芸能人だよ？チェキ撮ったからってべつに」


A「だって、次いつナオくんに会えるかわかんないし、チェキって…すぐ隣にいられるのに…うう…」


玲於「あーあーもう泣くなよ。」





ぽろぽろ涙流してさ

いや、お前イベント外れたくらいでそんな泣くの？


すげーめんどくさいな





A「…もお、佐野くん向こう行ってていい、」


玲於「え、なんで。」


A「だって、めんどくさいって、顔に書いてる。」





…うわ、すげえ

バレてる





玲於「…まあちょっとめんどくさいかな。」


A「…泣く。」


玲於「もう泣いてるよ？笑」


A「…もっと泣く。」


玲於「あーめんどくさ。笑」





そんなやりとりしてたら、遅れて涼太くんが入ってきて


泣いてるAを見て驚いてたけど

ワケ話したら、それって泣くようなことなの？って、俺と同じ反応。



ね、やっぱこればかりはAがおかしい






玲於「…俺が育て方間違えたかな。」


涼太「間違えてるね、コレ。」


玲於「ほんと困った子だわ。」



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