恋愛アレルギー2【佐野玲於】

こんなんじゃ ページ17

玲於side






玲於「はーやーくー。」


A「待って待って、もう決めるから。」


玲於「お前それもう100回くらい言ってるよ？」


A「そんなに言ってないよ、佐野くんいっつも話盛って」


玲於「あーはいはい、いいから早く決めて。」





ファミレスのテーブル席

メニューを広げて悩みに悩んでるAちゃんを、正面から眺める。




ったく

ほんと優柔不断じゃん



たかがファミレスのメニューで何分悩んでんだよ。






A「決めた！ビーフステーキセットにする。」


玲於「はいはい。」





満足げに笑うAちゃんを横目に

ベル鳴らして店員さん呼んで



Aちゃんのビーフステーキセット

それから、俺のハンバーグプレート


もちろんドリンクバー付き。






玲於「さすがデブだわ、ビーフステーキセットって。」


A「…Aちゃんは太ってもいいって、この前言ってたじゃん。」


玲於「いやいや、世の女の子はさ、そんな言葉に甘えてられないなって 彼氏のためにダイエット始めるんすよ。」


A「ダイエット…この世で一番嫌い、その言葉。」


玲於「ちょ、笑 ほんとやめて。笑」


A「ほんとだもん。」


玲於「でもまあいいよ、うん。まだ可愛い範囲だから。」





いやあ、なんつーかさ

上手く言葉が見つかんない


べつにAちゃんのことをほんとに太ってるって思ってるわけじゃなくて

デブって言っていじけるAちゃんを見るのが好き、ていうか



俺ほんと性格歪んでるかも

これだからモテないんだよ



モテる男に弟子入りしたい



例えば、まあ




…ガンさん、とか







玲於「…ねえ、ガンさんってどうしてんの？今。」


A「…わかんない、連絡取らなくなっちゃって。」


玲於「…そっか。」






…このまま終わりは、さすがに嫌な感じする。


今俺らがこうなれてんのは

きっと、ガンさんが身を引いてくれたからなのに






玲於「海外行くの早めたって店長言ってなかったっけ。」


A「うん、言ってた。もうそろそろかな。」


玲於「…見送り行かなくていいの？」


A「……佐野くんが嫌じゃなければ、行きたいかも。」


玲於「…嫌なわけねえじゃん、行きなよ。」






ありがとう、って微笑むAちゃん




天使みたいなその笑顔に

思わず目を逸らした。







恋愛のレッスン


次はたぶん、キスなんだけど





こんなんじゃ俺の方が緊張するかも


…なんて。




．

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