恋愛アレルギー2【佐野玲於】

2週間 ページ13

Aside






佐野くんの彼女になって、2週間が過ぎた。




毎日、すごく穏やか



のんびりお喋りしたり

たまには口喧嘩したり

お天気がいい日は、手を繋いだり




ああわたし、この人を好きになってよかったな って、自然とそんなことを思う。







玲於「…ね、Aちゃん。」






いまは3限目の授業中


うしろから二番目の席で

隣に座ってる佐野くん、つんつんって わたしのことつついてきた。






A「なあに？」


玲於「ここ、どう？泊まりもできるって。」


A「わ、すごくキレイ！」


玲於「でしょ。」






佐野くんが携帯で見せてくれたサイト

海のそばにある水族館で、隣にはホテルもあるんだって。




来週末、またみんなでお泊まりしようって話になって

家でお泊まりは飽きたから、ちょっと遠出することにしたの。



わたし以外、3人とも車の免許もってるから

どこにでも連れてってくれる。





玲於「じゃあここ第一候補ね、グループにライン送っとく。」


A「うん。」






涼太くんとユカちゃん

今日ふたりしてサボってるんだ


たぶん昨日お泊まりしてたから、そのままダラけちゃってるんだと思うけど。






A「…佐野くん、わたし、水族館行くの久しぶり。」


玲於「そ？」


A「うん、中学校の修学旅行でね、沖縄行ったの。」


玲於「あ、美ら海？」


A「そう、それきり。だから…5年ぶり？」


玲於「えーマジで。」


A「うん、楽しみ。」


玲於「Aちゃんって水族館とか好きそうじゃん。動物園とか。」


A「好き好き、生き物が好き。」


玲於「虫は？」


A「好きだよ。」


玲於「きも。」





うわ

すごいや


きも、って こんなに素早く言われたの初めて。





きもくないよ、なんて返事してたら

ちょうどチャイムが鳴って 授業が終わる。





佐野くん、ぶつぶつ文句を言いながら立ち上がり

リュックからって






玲於「てか今日バイトじゃん、よっしゃ 晩メシ代浮くわ。」


A「よかったね。」


玲於「ほら早く行こ。」






実は佐野くん、カフェのバイトに戻ってきてくれたの。


剛典くん 先週でほんとに辞めちゃって

その話したら、じゃあ俺が代わりに、なんて 当たり前な顔して戻ってきた。




いや、嬉しいよ

すごく嬉しい



佐野くんがいたら楽しいもん





そんなことを考えながら

よく晴れた青空の下、ふたりでカフェに向かった。



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