そういう存在 ページ44
Aside
A「ありがとうございました。」
日が落ちて
オレンジの明かりが窓から照らす中
剛典くんとふたり、お客さんを見送っていた。
ドアが閉まったのを確認して
剛典くんが、ふう ってひとつ息を吐く。
剛典「…あのおじさん、Aのことずっと見てたね。笑」
A「え？」
剛典「可愛い子も大変だね〜」
そう言いながらテーブルを拭いてる
その後ろ姿
…可愛い子、って
本心なのかな
剛典くん、なんか言い慣れてそう
A「…剛典くんって、彼女さんとか…」
剛典「いないいない。笑」
A「…けど、なんで？絶対モテるのに。」
そう聞くと
爽やかすぎる笑顔を向けながら、こっちに歩いてくる剛典くん
わたしの前で立ち止まって
剛典「…なんでだと思う？」
そう言って、ぽん と頭に手を乗せてきた
至近距離に映る、綺麗すぎる顔
びっくりして 思わず顔を伏せてしまった
そんなわたしを見て くすっと笑った剛典くんは
また優しく微笑んで
剛典「…慣れてない？こういうの。」
A「…うん。」
剛典「…苦手？」
A「…苦手って、思ってたけど…佐野くんが教えてくれて。」
…10秒見つめる
今なら、できるよ
佐野くんが教えてくれたこと、ひとつも忘れてないよ
佐野くんの照れたような顔が頭に浮かんで
それだけで、なんだか落ち着いて
A「…佐野くんは、すごく大事なひと。」
剛典「…大事なひと？」
A「うん。…よくわかんないけど、わたしのこと大切にしてくれてて…素直じゃなかったり、不器用だったり…そういうの、優しいからなんだって、わたしにはわかるの。」
…会いたいなあ
佐野くんがいなきゃ、つまんないよ
いま思ってること、全部言えたらいいんだけど
勇気と自信がなくて とてもできない。
剛典「…あーあ、そっか。」
A「…そっか？」
剛典「……Aにとっての玲於は、そういう存在なんだね。」
…そういう存在
なくてはならない、とか
唯一無二、とか
そんな言葉が当てはまる気がする。
A「…うん、そういう存在。」
剛典「…でも俺ら、20年近く一緒にいんだよ。」
A「…え？」
剛典「……簡単にはあげないよ、ってこと。」
どういう意味だろう、なんて考えながら
剛典くんの得意げな顔を見上げていた。
．
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LUB0319(プロフ) - はじめまして。こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいてます。よろしければパスワードがかかった小説も読みたいので、パスワード教えてください。よろしくお願いします。 (2020年5月6日 11時) (
レス) id: 22c4527a8b (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - これ読んでたらなぜか泣いてしまいました笑！きなこさんの作品だいすきです！ (2018年6月20日 23時) (レス) id: f17a2fd2ce (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ののさん» ののさま。確認してきましたが、本当に全部コピーされていてびっくりです…。後はこちらで対処いたします。ご丁寧にありがとうございました。ののさまに喜んで頂けるよう、これからも頑張りますね。ぜひ応援よろしくお願いします！ (2017年4月17日 22時) (レス) id: 44cf8c7e56 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - #あるとさん» 酷似した作品の件、確認しましたがやはり消えているようですね(°_°)また何かあればご連絡よろしくお願いいたします。今回はご丁寧にありがとうございました！ (2017年4月17日 22時) (レス) id: 44cf8c7e56 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - #あるとさん» #あるとさま。ありがとうございます（ ; ; ）最近ずっとスランプでつらかったのですが、本当にすごく救われました。あるとさんは前作からずっと嬉しいコメントをくださっていて、いつも涙ながらに読ませて頂いています。これからも応援の程よろしくお願い致します！ (2017年4月17日 22時) (レス) id: 44cf8c7e56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2017年3月19日 21時
