未完成ラバー【今市隆二】

ネコ科 ページ47

Aside






A「きーもーちーいー！わーい！」


隆二「ねえ首ぶっ飛ぶって。笑」





起きてからわずか30分で

まさかのドライブに出発。



隆二さんの黒い車、その助手席に座って

しばらく走って首都高に乗った。




おすすめのパーキングエリアがあるんだって。

そこで朝食にしよう、だって。




すごくオシャレな朝になっちゃった。






A「や〜前髪乱れる〜」


隆二「窓閉めたら？笑」





隆二さんってすごく格上の方なはずなのに

なんていうかな、素でいられるの。



自然体っていうか

とにかく気取らなくていい気がして、とっても楽。




メイクだって 眉とリップだけっていう

彼氏相手ですら戸惑うようなスタイルだし


コテ忘れちゃったから、髪も巻いてないし




でも隆二さんが、オフ感あって落ち着く なんて言ってくれたから

もうこれでいいんだ。






A「……隆二さんといたら、すごく安心します。」


隆二「…俺も、Aちゃんの前だとカッコつけなくていいから楽かなあ。」


A「わあ、わたしも同じこと考えてました！」


隆二「わあ。笑」


A「すごい、こんなに仲良くなれるなんて思ってなかったです。」


隆二「ほんとだよね、…なんか色々と偶然じゃない気がするし、不思議だわ、Aちゃん。」


A「不思議ですねえ。」






それに付け加えると


昨日の夜から一気に距離が近付いた気がする。




例えるなら、10センチが3センチになった、くらい。





だって、ぎゅってしてくれたんだよ。


元からスキンシップは多いかもって思ってたけど

でも、あのハグは 普通のハグとは違う気がしたし



…思い出しただけでもドキドキするな。






隆二「…俺の部屋泊まったなんて、チアちゃんが知ったら怒るかな。笑」


A「あ、絶対怒る。」


隆二「A！わたしの許可無しでなに男の部屋泊まってんの！って。笑」


A「うわー…それ言いそう…」


隆二「大事なんだろうねー、Aちゃんのこと。」






ハンドルを軽く握りながらそう呟いた

優しい横顔




…見惚れる…


やっぱりカッコいいな






動物に例えたら、ネコかな

でもライオン感もある


だから、まあ、ネコ科…？






隆二「…なに、そんな見て。笑」


A「…いや、隆二さんはネコ科だなあって。」


隆二「えーネコ科？…Aちゃんはうさぎかなー。」


A「やった、かわいい！」


隆二「かわいい。笑」



．

曖昧な距離→←朝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す