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特盛り ページ4

Aside







それからちゃんと仕事に集中して

ふう、とひと段落したところで頭に思い浮かぶ。




…そういえば、なんで今市さんはあの非常階段が特等席なんだろう。




今市さんみたいにキラキラした人は

最上階にある展望付きのカフェで 女子社員とコーヒー飲むのがお似合いなのに。





なんて、考えていたら






チア「こら!またぼーっとしてるよ。」


A「わあ、びっくりした…」


チア「そんなんだから残業になるんだよ、もう。」





そう言いながらわたしの頭をコツンってするのは

高校からの親友、中原千晶

通称チアちゃん。




怒りんぼだけど根は優しくて、大好き。





A「違うよ、ちゃんと集中しててね、」


チア「えー?…あ、ほんとだ。終わってる。」


A「でしょ、今日頑張った。」


チア「偉い偉い!このペースなら定時で上がれるんじゃない?」


A「そうだといいな。」


チア「よし、じゃあとりあえずランチ行こう。」





あれ、もうそんな時間?

思いながら時計を見上げると、もう12時を過ぎていた。



お財布片手に立ち上がって、チアちゃんとエレベーターホールに向かう。





チア「どうする?社食にする?」


A「うん。社食にしよ、外出るのめんどくさいし。」


チア「言うと思った。笑」





開いたエレベーターに乗り込んで

15階で降りる。



食券機に既に列ができてるけど、これくらいならまだ大丈夫。





A「チアちゃん、何にする?」


チア「うーん…サラダランチA。」


A「それ、お腹たまんないよ。」


チア「そんなことないって。」


A「えー、…わたしは…」





唐揚げ定食は昨日も食べたし

ハンバーグかなあ、でもやっぱり唐揚げ食べたい気もする。





チア「…出た、優柔不断。」


A「だってー…」





ついに回ってきた順番


最後まで迷って、迷って

結局唐揚げ定食(特)にした。


特盛り、一個唐揚げ多いの。




お金を入れて、ピッて押して

出てきた食券を拾っていた






そんな時









「あれ、ミルクちゃん?」








後ろから、確かにそう聞こえて


びっくりして振り返る。



そこにいたのはやっぱり






隆二「あ、正解!ミルクちゃんだ。」






そう言って笑う、今市さんの姿。



もう既に食券を引き換えて貰っていて

持ってるお盆には





A「…唐揚げ、特盛り…」


隆二「え?笑」



.

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はな - 今市隆二でまた話作ってください! (2020年4月14日 18時) (レス) id: f09f6f4b0a (このIDを非表示/違反報告)
miru1027(プロフ) - 今市さんメインのお話をなかなか探せなくて、でも、素敵なすごい素敵なお話しに出会えました!ありがとうございます!! (2019年6月11日 11時) (レス) id: c79621f3d3 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 本当に綺麗なお話で何回も読みにきてしまいます。 (2019年4月18日 23時) (レス) id: fed54832df (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 隆二くんのスイッチ、ずっとONならいいのになぁ、なんて(笑)名前呼びも隆二さんって呼ばせるところもすっごく幸せな気持ちになります!何度読んでも本当に本当に大好きなお話です。隆二くんの優しさが伝わってきます。キュンキュンです! (2018年2月8日 23時) (レス) id: 05e37e8b83 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - コメ嬉しいと書いてあったのもありコメしま〜す。(^O^)/だいちゃんはガンちゃんだったか‥。本物もこんな風に優しいんじゃないかなぁ〜。今市くん。プラスここぞ!で強引かもしれませんよ〜。繊細さも混みみたいな。 (2017年3月1日 12時) (レス) id: 8ee9a559fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月12日 21時

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