明日から ページ29
Aside
チア「A、わたしそろそろ帰るよ?」
チアちゃんのそんな声に顔を上げると
なんともう、21時半
…やば、時計見るの忘れてた。
A「うん、またね。」
チア「遅くなりすぎないようにね。」
A「はあい。」
そんな気の抜けた返事をして
辺りを見渡す。
さすがにほとんど帰ってて、チラホラ人影が見えるけど ほんとに数えるくらいしかいない。
今市さんの後ろ姿もないし…帰っちゃったのか。
あーあ、わたしも22時までには帰りたいなあ
そう思って ぼーっと資料を眺めていた
そのとき
隆二「わあ!」
A「っわ、」
後ろから突然、肩にぽんって手を置かれて
振り向くと、楽しそうな顔して笑ってる 今市さんの姿。
A「びっくりしたあ…」
隆二「あはは、Aちゃん全然気づかないから。笑」
そう言って わたしの隣の椅子に座る今市さん
…呼び方、Aちゃんになってる。
A「もう帰ったと思ってたから。」
隆二「んー、帰ってないよ。コレ買いに行ってた。」
そう言って差し出されたもの
A「ミルクティー…」
隆二「…あれ?笑 反応薄くない?笑」
A「ちが、その…嬉しすぎて…」
隆二「あはは、笑」
A「ちょ、しぃー…声大きいですっ」
隆二「あ、ごめんごめん。笑」
…やっぱり抜けてる。
そう思いながら ちらって横目で見た今市さんは
スーツに身を包んで
ネクタイ、ちょっと曲がってて
楽しそうに ニコニコしてる
…優しい笑顔だなあ。
A「…笑いじわ、」
隆二「え?」
A「今市さんの笑いじわ、なんか、すごく気持ちいです。」
隆二「……気持ちいって…」
A「なんていうか、裏表がない感じ。」
小声でそう言うと
照れる、ってまた笑ってる。
…癒されるかも、コレ。
隆二「…Aちゃん、あのさ。」
A「はい、」
隆二「……俺の名前、知ってる?」
…名前?
A「…いまいち?」
隆二「じゃなくて。」
A「……隆二…さん。」
そう言ったわたしのこと
満足そうな顔して見て
ぽんって わたしの頭に手を置いた
隆二「じゃあ明日から、それで呼んでね。」
A「えっ、」
隆二「楽しみにしてます。」
有無を言わさない、その態度
…ほらまた、これ
今市さんだから許されるんだ。
.
2791人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな - 今市隆二でまた話作ってください! (2020年4月14日 18時) (レス) id: f09f6f4b0a (このIDを非表示/違反報告)
miru1027(プロフ) - 今市さんメインのお話をなかなか探せなくて、でも、素敵なすごい素敵なお話しに出会えました!ありがとうございます!! (2019年6月11日 11時) (レス) id: c79621f3d3 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 本当に綺麗なお話で何回も読みにきてしまいます。 (2019年4月18日 23時) (レス) id: fed54832df (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 隆二くんのスイッチ、ずっとONならいいのになぁ、なんて(笑)名前呼びも隆二さんって呼ばせるところもすっごく幸せな気持ちになります!何度読んでも本当に本当に大好きなお話です。隆二くんの優しさが伝わってきます。キュンキュンです! (2018年2月8日 23時) (レス) id: 05e37e8b83 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - コメ嬉しいと書いてあったのもありコメしま〜す。(^O^)/だいちゃんはガンちゃんだったか‥。本物もこんな風に優しいんじゃないかなぁ〜。今市くん。プラスここぞ!で強引かもしれませんよ〜。繊細さも混みみたいな。 (2017年3月1日 12時) (レス) id: 8ee9a559fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月12日 21時