未完成ラバー【今市隆二】

調子乗る ページ25

Aside





A「うわ、美味しい！これめちゃくちゃ美味しい！」


隆二「わかったわかった。笑」





今市さんが連れて来てくれた

会社の近くのオシャレな居酒屋


居酒屋だからそんな堅くないし

かと言って酔いつぶれたおじさんがいるわけでもなく


女の子でも気軽に来れるようなお店。


さすが今市さん！






隆二「ミルクちゃんお酒結構飲む？」


A「そんなに強くはないけど…人並みには。カクテルばっかり飲んでます。」


隆二「いいよ、女の子はそれくらいの方が可愛い。」





今市さんは多分、自分が言う言葉の重みを分かってなくて

サラッと言った可愛いが、わたしの中で今ぐるぐるしてることにも気付いてない。



…調子乗る、ほんとに。





A「…なんで、その、急に誘ってくれたんですか？」


隆二「えー、だって最近非常階段ずっと一人だし。笑」


A「あっ、そっか…ごめんなさい、仕事が立て込んでて…」


隆二「いやいいんだけどさ、なんかミルクちゃんの顔見たくなって。」


A「…またそういうことを…」


隆二「え？笑」





天然？

なに？これ



そのあともずっと


仕事頑張ってて偉いねだとか

ちゃんとご飯作って偉いねだとか


わたし何か悪いことしたかなってくらい、めちゃくちゃに褒めちぎられた。




ドキドキ通り越して、怖い。





A「…今市さん、酔ってます？」


隆二「え？全然。笑」





終始こんな感じで饒舌に付き合わされ

最後、奢らせてって言葉に甘えさせてもらい お店を後にした。





A「すみません…ごちそうさまでした。」


隆二「いーえ。ミルクちゃん美味しそうに食べてくれるから、奢り甲斐がある。笑」





そんな会話をしながら店を出て

駅まで二人で歩く。



今市さんって 顔だけじゃなくてスタイルもいいから

すれ違う人がみんな見てくの。


振り返ってる人とかいるし

なんか、隣にいるのがこんな幼児体型でごめんなさいって謝りたくなる。





隆二「家どこ？送る。」


A「えっ、いいですよ。ひとりで帰れます。」


隆二「ダメだって、もう日付変わってるし。…ミルクちゃんみたいな子、すぐ連れてかれちゃうよ。」


A「…過保護。」


隆二「いやいや、男として当然のことしてるだけだって。笑」





結局わたしが折れて

家まで送ってもらうことに。



駅からすぐのマンションだったからまだよかったけど

ほんとに申し訳ないな。



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