未完成ラバー【今市隆二】

だいちゃん ページ14

Aside






隆二「あー、ミルクちゃん。」


A「今市さん、」




次の日のお仕事

朝給湯室でコーヒーを淹れていると、今市さんがやってきて 俺にもちょうだいって。




A「今市さんってコーヒー似合いますよね。」


隆二「なにそれ。笑」


A「あ、けど紅茶も似合う気がする…」


隆二「どういうこと？笑」





はいどうぞってカップを手渡すと

ありがとうって受け取ってくれて


またこの、キラースマイル。




女の子はコレでオチちゃうんだろうな。





隆二「えーミルクちゃんはミルクティーしか飲まないと思ってた。」


A「…ほとんどミルクティーです。…でもちょっと、眠気覚ましに…」


隆二「眠気覚まし？…夜更かしした？」


A「…考え事してたら、眠れなくなっちゃって。」


隆二「なになに、聞きたい。」


A「大したことじゃないですもん。」


隆二「いいよ、教えて。」





コーヒーを飲みながら、そんな風に聞いてくれる。


その優しさに折れて

この前も言いましたけど、って だいちゃんのことを話した。





A「…だから、寂しいなあ、なんて。」


隆二「ミルクちゃんにこんなこと言うのはアレだけど…いくら仕事頑張ってても、彼女に寂しい思いさせんのは 男として失格だよ。」





…男として、失格

だいちゃんが聞いたら怒るかも。





隆二「ていうかどんな男？写真ないの？」


A「…恥ずかしい。」


隆二「いいから見せて。笑」





今市さんに見せるのは気がひけるなあなんて思いながら 携帯を取り出し、フォルダからだいちゃんの写真を探す。


これでいいかなあ

夏にデートした時の写真





A「…これ…」


隆二「えー、思ってたよりイケメンじゃん。」


A「思ってたより。笑」


隆二「このミルクちゃん可愛い。髪長いね。」


A「秋頃までは伸ばしてたんです。」


隆二「へー、ボブも似合うけど、ロングもいいね〜」


A「…わたしじゃなくてだいちゃん見てくださいよ。」





ごめんごめん、なんて笑ってる今市さん


思わずわたしも笑ってしまう。

今市さんってちょっと抜けてるかも。





A「はい、もう終わりでーす。」


隆二「あーあー待って、もっかいだいちゃん見せて。」


A「そんなに見ても…」





よし覚えた、なんて言ってる。


覚えなくていいけどなあって内心思いながら

満足げに笑う今市さんを見上げてた。


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