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真実 ページ41

亜嵐side





見ると、ここではないけど たぶんどこかの大学の研究室で撮られた写真で



2人に挟まれて、真ん中に教授がいる

今よりちょっと若いかも。



なんだろ、って思いながら眺めてた。






その時目に入る






亜嵐「……あれ…?」






教授の右隣


スーツ着て、お上品に両手合わせて


この、丸っこい目

恥ずかしそうな笑顔




……A先生だ。





忘れかけていた気持ちが一気に吹き出して

途端に心臓が激しく動き出す。



…なんで、こんな写真が…






亜嵐「…教授、…あの…これって…」


「ん?…ああ、懐かしいな。5年前だったかな。隣の国立大学にね、研究室だけ待たせてもらってたんだ。数学科に欠員が出て、たった2年間だったけど。」





隣の国立大って、A先生の出身校

先生も、教授の研究室に入ってたんだ。





「…ちょうど彼女たちの教育実習が終わった時でね、随分意気消沈してたから、研究室でお疲れ様のパーティーをしたんだよ。その時の写真だね。」


亜嵐「……A先生、っすよね。」


「あれ、白濱くんはAさんを知っているの?」


亜嵐「…俺、A先生が実習に来た時の生徒です。…それと、去年の実習で偶然、A先生のクラスに配属になって…」


「へえ、すごい偶然だね。」





…A先生って言ったのも 1年ぶりだ。


ほんとに閉じ込めてたんだよ。



思い出も、気持ちも、全部。






「…彼女は本当に色々悩んでたなあ。思い出すよ、今でも。」


亜嵐「…え?」


「…根っからの真面目でね、間違ったことなんて絶対にしない子だった。……でもひとつだけ、彼女が犯した間違いがある。」






メガネを外しながら

教授はゆっくりと口を開いた。






「…彼女は、生徒に恋をしてしまったんだよ。」






その言葉を聞いた瞬間

痛いくらいに、心臓がどくんと跳ねた。



…それって、俺だよね?

自惚れじゃないよね?





「…って、白濱くんに言うのも違う気がするけど…時効だと思って聞いてくれるかな。ずっと誰かに聞いて欲しくてね…」


亜嵐「……口、軽くないっすか。」


「あはは、とてもわくわくする話なんだよ。ぜひ白濱くんにも味わってもらいな。」





…わくわくって

人の過去をなんだと思ってんだよ、なんて思いつつも



真実を知りたい思いが先走って

話したいっていう教授のお願いに 簡単に頷いてしまった。



.

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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました!続編読んでみたいです!!占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます!ありがとうございます! (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか?笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます! (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月1日 21時

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