一枚の写真 ページ40
亜嵐side
亜嵐「教授〜」
「白濱くん、悪いね、ありがとう来てくれて。」
久々に来た大学
そしてこの研究室
さすが大掃除中で、いつもより100倍くらい汚い。
…ってまあ、普段から汚いんだけどさ。
「大掃除してるなんて言って手伝いに来てくれるの、白濱くんくらいしかいなくてね。」
亜嵐「俺優しいっすもん。笑」
「確かに優しいね。笑」
そんなこと言って笑い合いながら
落ちてた軍手勝手に使って、俺も大掃除に取り掛かる。
亜嵐「…って、どこも綺麗になってないじゃないっすか！笑」
「ごめんごめん。笑 捨てるかどうか悩むものばかりでね。」
亜嵐「断捨離っすよ、断捨離しないと綺麗になんない。」
「それが本当に決められなくて…」
亜嵐「じゃあこっからは俺の独断と偏見でいきます。」
早く終わらせてカラオケオールしたいもん
夜には終わるかな、なんて考えながら手を動かした。
「そういえば白濱くん、赴任先はどこになったんだっけ。」
亜嵐「都内の…って高校です。」
「そうか。母校ではなかったんだね。」
亜嵐「…そうっすね。」
…心のどっかで
もしかしてまた一緒になれるんじゃないかって、そんな期待もしてたんだけど。
まあ、もしこれで赴任先が母校だったとしても
結局また1年間連絡とってないし、何かあるはずないとは分かってる。
…あわよくば、だよ
あわよくば。
「まあ何かあったら、愚痴でも吐きに遊びにおいで。」
亜嵐「あは、来ます来ます。ちゃんと生きててくださいよ。笑」
「ああ、頑張るよ。」
そんな会話を挟みつつ作業を続け
気付けば16時を回っていた。
太陽が傾いて、西日が差し込んでくる。
亜嵐「教授ー、これ捨てていい？」
「…それは…」
亜嵐「はい捨てまーす。笑」
「強引だなあ。笑」
亜嵐「教授優柔不断なんすもん。笑 だからこういうのは即決がいちばん…っうわ、」
そのとき
ダンボールを持つ手が滑って
見事にひっくり返し、そのまま床に落としてしまった。
ゴミ袋が重なる床に散らばる、たくさんの書類
…あー、めんどさいことした、俺
「大丈夫？」
亜嵐「やっちまった。」
「拾えば元通りだよ。」
亜嵐「はいはい。笑」
ふう、と息を吐いてしゃがみ込み
散らばった書類をかき集める。
最後にクリアファイルを拾い上げたとき
ひらっと、何かが落ちて
…なんだこれ、写真？
.
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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (
レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました！続編読んでみたいです！！占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます！ありがとうございます！ (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか？笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます！ (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2017年2月1日 21時
