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一年後 ページ39

亜嵐side






「亜嵐、このあと暇?カラオケ行かね?」


亜嵐「行く行く、カラオケ久々〜」






駅に向かって歩き出した、14時半


馴染みの仲間と一緒にバカみたいなことしながら過ごしてた。






あの別れから一年


大学4年の冬





夏に行われた教員採用試験にも無事合格し

先週赴任先の高校も発表され、ほっと胸を撫で下ろしていた。



単位もちゃんと取れてたおかげで

2月から始まった春休みも 卒業式をただ待つだけの期間。



とにかく毎日遊んで、遊んで

余計なことは考えないようにして。






亜嵐「ちょ待って金ないわ、下ろしてきていい?」


「亜嵐試験受かってから遊びすぎじゃね?笑」


亜嵐「だってすることねえもん。」


「いやそうだけど。笑 金なくなるよ?」


亜嵐「もうね、もう既にない。笑」





今日はカラオケオールしようぜって店内に入り

受付を済ませ、3人で個室に入る。


マイク片手に歌って、盛り上がって



そんな中





「…あれ?携帯鳴ってね?」


「俺じゃないわ。」


亜嵐「…あ、俺だ。」


「電話?」


亜嵐「うん、研究室から。ちょっと出てくる、」






携帯片手に部屋を出て

エレベーターホールで通話に切り替えた。





亜嵐「もしもし、白濱です。」


『白濱くん、悪いね。今何してるかな。』





教授からのそんな電話

何だろ、こんな昼間に。





亜嵐「今っすか?普通に遊んでます。笑」


『ああ、それじゃあ悪いなあ。』


亜嵐「え?」


『いやあ、今研究室の大掃除をしていてね、1人じゃとても片付かなくて…』


亜嵐「1人で大掃除?」


『みんな春休みだからねえ。』





教授、62歳で

でも年の割にすげーじいちゃんなんだよ。


足腰悪いし。





亜嵐「ちょ、待ってて。俺行きます。」


『でも遊んでるんじゃ、』


亜嵐「平気っすよ。遊びなんていつでもできるし、20分後には着くと思うんで。」


『悪いなあ。』


亜嵐「気にしないで待っててください。」





電話を切り、2人にごめんって手を合わせて部屋を出た。


人が良過ぎんだよ、なんて小言言われたけど

まあ、さすがに教授ひとりで大掃除なんてできるわけねえし。


お世話になった研究室だから、俺も関わりたいし。




そんなこと思いながら

いつもより少し早歩きで駅に向かった。



.

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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました!続編読んでみたいです!!占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます!ありがとうございます! (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか?笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます! (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月1日 21時

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