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大丈夫だよ ページ27

亜嵐side






亜嵐「…あのさ…菊池くんのことなんだけど。」






俺がそう言った瞬間、背筋伸ばして

明らかに構えちゃってる。



…大丈夫だよ、先生。






亜嵐「…俺、昨日の夜偶然会ってさ、菊地くんに。」


A「…そうなの?」


亜嵐「うん。…それで、A先生に伝えておいてくれませんかって、頼まれて。」





そんな俺の言葉に、え?って顔上げてこっち見てくれる。


丸っこい先生の目を俺も見つめながら

ゆっくりと口を開いた。





亜嵐「…感謝してるって言ってたよ。…引き止めてくれたのも、先生に会えたこと自体も…感謝してるって。」


A「……ほんと…?」


亜嵐「…ほんと。…先生に出会ってなかったら、もっと最悪な選択をしてたって言ってた。…だからさ、先生がしてたこと、全部正解だったんだよ。」





菊地くんを大事に思って

話しかけたり、必死に引き止めたり


先生のおかげで、あいつも救われたと思う。






亜嵐「……だから、もう安心していいよ、A先生。」






俺の言葉に、静かに涙を流す先生


…そんな不安だったんだ。




俺が知らない間にも、きっとたくさん悩んだと思うし

たくさん苦しんだと思う。




…もっと早く 助けてあげたかったな。






A「……そんな風に思ってくれるって、知らなかったから……本当に嬉しい、」


亜嵐「…うん。」


A「……白濱くんも、ありがとう。」


亜嵐「…ん?」


A「…今日、たくさん楽しませてくれて…嬉しかったから。」






そんな言葉と先生の涙に

次の返事が出なくなる。




つい固まってしまった、そんな俺をゆっくり見上げて







A「……白濱くんがいてくれてよかった。」







小さな声で呟かれた、そんな一言





…ああ、俺、この人を好きになったこと

やっぱり間違いじゃなかったな。




先生が伝えてくれるもの全てが


本物で、綺麗で






亜嵐「……先生、」






その膝に置かれた左手を

俺の右手でぎゅっと握った。








亜嵐「……俺も、先生に出会えてよかったよ。」








この人の隣にいたい


誰よりも近くで、笑っていたい




…こんな欲、許されるわけないのに。








そんなことを考えながら

握った手に力を込めた。






薬指に光る、憂鬱なその指輪を隠すように。







運命?→←そろそろ



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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました!続編読んでみたいです!!占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます!ありがとうございます! (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか?笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます! (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月1日 21時

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