冬色シルエット【白濱アラン】

自己紹介 ページ11

亜嵐side






色々説明を受けたあと

緊張気味で向かった教室



2年3組と書かれたその部屋の前で、ひとりうるさい心臓を落ち着けていた。




ちらって中を覗くと、A先生が教壇に立って生徒に話しかけてて


ほんとに教師になれたんだ、なんて、今さら実感。





…でも4年前から、A先生は教師に向いてる気がしてたんだ。


だってほら、問題児だった俺が今こうなれてんだから。





そんなことを考えていると、ドアが開いて






A「白濱くん、どうぞ。」





A先生がそう言って 俺のこと手招きしてくれた。


はいって返事して、一歩踏み出す。





集まる生徒の視線


…いける、いける。






亜嵐「今日から1ヶ月間、教育実習生としてお世話になります。白濱亜嵐です。よろしくお願いします！」






そう言って頭を下げると、よろしくお願いしますって声と拍手が聞こえてきて

ほっと胸を撫で下ろした。






A「白濱先生には、数学科を担当してもらいます。来週からわたしに代わって授業してもらうから、みんな迷惑かけないようにね。」


「はーい。」


「白濱先生、何歳ですか？」






あれ、こういうのって普通

なにか質問ある人！とかいうコーナーあるよね？笑



自由なクラスだな、なんて思いながら 質問に答える。






亜嵐「21です。みんなとは4歳差くらいっすね。」


「4歳差だって〜」


「全然変わんないね！」


A「全然変わらないですね、でしょー。」


「でしょー。笑」


「宮下先生の方が教育実習生みたい。笑」






そう言われて、こらっなんて、ほっぺた膨らませてる。


…宮下先生、か。






A「じゃあえっと、プリントあるんだっけ？白濱…先生。」


亜嵐「…あります。笑」






白濱くん呼び、抜けないよね


俺もA先生って呼びそうだもん



…だめかな

宮下先生なんて、死んでも呼びたくないんだけど。






亜嵐「…えーと、プリント作ってきたんで今から配ります。」


「プリント？数学の？」


亜嵐「いや、自己紹介と…心理テスト。」


「心理テスト？」


亜嵐「心理学科の友達に作ってもらったから、結構信憑性あると思うよ？笑」


「すげー、早く見たい！」





一気に騒ぎ出したみんなに思わず笑ってしまう。

若いな、可愛いわ。





ちらって横見たら A先生と目が合って

優しい顔して笑ってくれた。






今日から1ヶ月、こんな人のそばにいて



…大丈夫かな、俺。


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