教育実習 ページ1
亜嵐side
亜嵐「白濱亜嵐です、よろしくお願いします!」
大学3年
1ヶ月間の教育実習
勉強嫌いだった俺が一念発起して大学に合格し
そしてようやく、念願の教師という夢に一歩近づいた。
考えらんねえわ、自分がここまで来れるなんてさ。
そんなことを思いながら
数学科を専攻している俺は
他2人の仲間とは別れ、ひとり数学準備室で深々と頭を下げていた。
卒業して以来、ほぼ3年ぶりに訪れた母校
…色んな思い出があるけど
やっぱり一番に思い出すのは、あの人しかいない。
たった一ヶ月の、俺の初恋。
「まさかあの白濱くんがねえ…笑」
「本当に信じられないよ。あんなに勉強嫌いだったのに。」
亜嵐「酷くないっすか?笑」
高校時代の俺を知ってる先生も何人かいて、これなら安心して実習に専念できるかも。
そんな思ってたより軽い気持ちで
一日目のオリエンテーションが終了
高校二年生のクラスに入れてもらうことになり、早速貰ったデスクでパソコンを立ち上げた。
17時
自己紹介と生徒の気を引く心理テスト
そんなのが詰め込まれたプリントが完成。
俺、結構デザインのセンスあると思うよ?
なんて 我ながら満足。
ふう、と背伸びをして
数学準備室の窓から見える景色を眺めてた。
…懐かしいな
この夕日
影の長さ
……きっともう、会うことはないけど
それでも忘れられないのは
あんな形で終わってしまった恋だから。
…いや、終わらされた、のほうが正しいか。
.
" 白濱くんは、きっと素敵な大人になるよ "
…そんな いかにも教師らしいセリフ
俺が欲しかったのは
点数でも、同情でも謙遜でもない
好きっていう
その2文字だけだったのに。
.
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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました!続編読んでみたいです!!占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます!ありがとうございます! (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか?笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます! (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月1日 21時