とろける ページ49
Aside
それから1時間後
2人でマンションを出て、タクシーで事務所へ向かった。
その途中も、わたしのキャリーケース何も言わずに引いてくれたり
小さな優しさにまたときめく。
キャリー、一階の受付けのとこに置かせてもらえることになって
スタジオで合わせがあるらしい玲於くんとは、ここでお別れ。
A「…お世話になりました。」
玲於「…なにその永遠の別れみたいな…」
…寂しいなあ
昨日、夜からずっと一緒にいたんだもん。
また何時間か後には仕事で会えるけど
でも、…うん、寂しい。
A「…色々、ありがとう。」
玲於「…いーえ。」
A「…頑張ってね。」
明らかにテンションが下がってしまった
そんなわたしを見て、小さく笑った玲於くん
玲於「…またあとで。」
言いながら、わたしの頭にぽんって手を置いた。
その優しい笑顔を残して
エレベーターに乗り込んで…
A「……甘すぎ…」
はあ、ダメだ
甘すぎる。とろける。
どうしよう
わたし今、世界で一番幸せかも。
またあとで、会えるから
それまでわたしも頑張ろう。
玲於くんのことを考えたら、わたしなんでもできる気がする。
そんなフワフワした気持ちで、受付のお姉さんに荷物を預け
エレベーターのボタンを押して待っていた。
亜嵐「Aちゃん！」
その時、後ろから聞こえた声
振り向くと、裏口から入ってくる亜嵐くんが マスクを外しながら手を振っていて。
A「おはよう。」
亜嵐「おはよ、今から練習？」
A「うん。」
亜嵐「そっか。…うん、あのさ、Aちゃん。」
その時ちょうど、エレベーターが一階について
ふたりでそれに乗り込む。
A「なに？」
亜嵐「…昨日の夜、何してた？」
A「え、」
驚いて見上げても、亜嵐くんは目線を合わせてはくれなくて
A「…えと、昨日の夜は…」
…どうしよ
どこから話したら…
亜嵐「…ごめん、やっぱなんでもない。練習頑張ってね。」
A「あ、ちょっと…」
開いたドアから出て行ってしまった亜嵐くん
その背中を見つめながら
なんであんなこと聞いたのかな
あ、わたしがライン返してないからかな
それともただの気まぐれ？
なんて、能天気にそんなことを考えてた。
．
．
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nenekos0204(プロフ) - なんか1個1個の会話とかが自然で面白くてずっっともんでたいって思うお話です！！ (2020年5月3日 19時) (
レス) id: 855b5832ad (このIDを非表示/違反報告)
麦茶犬 - キュンキュンしすぎて、にやにやがとまらないです(笑)！応援してます！ (2018年2月1日 18時) (レス) id: 97f101f8e3 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 昨日友達の勧めで読み始めました！きゅんきゅんして終始ニヤケてます...笑 引き続き読みたいと思います(″ﾉдﾉ） (2016年12月26日 17時) (レス) id: 44b2651ac8 (このIDを非表示/違反報告)
佐野恋雪(プロフ) - ド(クセンヨクが強く 自分の気持ちを)S(になることでしか表現出来ない)玲於くん 略してドS！笑 思わず笑ってしまいました、最高です(*´艸`)笑 (2016年12月7日 23時) (レス) id: b87880982e (このIDを非表示/違反報告)
さのあき - 毎日の更新ありがとうございます！楽しみにしすぎて仕事が捗ります！これからも応援してます！ (2016年12月7日 22時) (レス) id: 74ab73a03d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年11月25日 20時
