ユアマイドール2【佐野玲於】

不機嫌 ページ31

Aside






亜嵐「Aちゃんよろしくー。」


A「はい、どうぞ。」





衣装に着替えて

ひょこっとわたしのとこに来てくれた亜嵐くん。


寝グセ酷いな、こりゃ大変だ。





亜嵐「ねえ、ほんとに2人でメシ行ってくれんの？」


A「え？あ、うん。」


亜嵐「なにその、気の抜けた返事。笑」


A「ごめん。笑 いいよ、でも亜嵐くん忙しいよね？」


亜嵐「んー、まあAちゃんの為なら時間作りますよ。」


A「…なに？悩みでもあるの？」





昨日の夜


玲於くんと帰ってる時に 2人でってラインが来て

お家に着いてから、いいよって返事したの。


なんだろ、2人なんて珍しい。





亜嵐「いや別に用事があるとかじゃないけどさ、たまには2人もいいかなって。笑」


A「…うん、いいよ。」





…これも、美幸さんの謎アドバイスに従ってることになってるのかな。


亜嵐くんのこと、恋愛対象として見る練習




…でも正直今は、玲於くん以外の人をそういう風には見れないっていうか…



って、亜嵐くん相手になんて贅沢なこと考えてるんだろ。





今週末、亜嵐くんの予定が空いてるらしく

食事はその日にって決まった。



場所はラインするねって


ほんと、優しいなあ

発言が全部優しい






…それに比べて






A「…な、なんか怒ってる…？」


玲於「…べつに。」





亜嵐くんのセットが終わった後

ポケットに手突っ込んで、最高に不機嫌な顔しながらやってきた玲於くん。





A「…怒ってるもん。」


玲於「だから怒ってないって言ってんじゃん。…うるせえな。」


A「…ごめん。」






…さっきわたしが調子乗ったからだ。

それで怒ってるんだ。



はあ、せっかく仲良しに戻れたと思ったのに。




ツンツンして

反抗期の男の子みたい



…ちょっと可愛いけど。






無言のままセットを終えて

ありがとうも言わず スタジオに行ってしまった玲於くん。





A「…がきんちょ。」


美幸「最高に不機嫌だったね。笑」


A「…たぶん、わたしがさっき調子乗ったから…」


美幸「えー？違うよ。Aちゃんが亜嵐と喋ってたからじゃん。」





…亜嵐くんと喋ってたから？





A「…絶対ないですって、それは。」


美幸「…じゃあさ、今度亜嵐と2人で食事なんでしょ？それ、玲於に言ってみなよ。」





楽しそうにそんなこと言う美幸さん


…意味、ないと思うけどなあ。


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