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Aside
玲於「逃げんなよ…ほら、」
そんな声と、右手に感じる温もり。
…手、繋がれてる。
なんでこんなに苦しくさせるの？
いらないよ
わたしにとってこんな優しさ、苦しいだけなの
また涙が出てくる
泣き顔、見られたくないのに…
玲於「……こっち。」
手を引かれて路地に入る。
誰もいなくて 静かで
街灯の下立ち止まった玲於くんは、ゆっくりわたしの方を振り向いた。
玲於「……泣いてんの？」
A「…泣いて、ない…」
玲於「…泣いてんじゃん。」
…分かってるなら 最初から聞かないで
声、震えちゃう
玲於「…お前、泣くんだ。」
A「…え？」
玲於「……泣かないと思ってた。」
A「…なにそれ、」
玲於「……ごめん、俺、Aのこと全部知ってるって思ってたけど…知らないことばっかだわ。」
…そんなの、当たり前だよ
玲於くんに嫌われたくなくて
ずっと隠してたんだもん。
わたし、ほんとはいい子じゃないんだよ
チカさんなんて、帰って来なければよかったのにって思ってるよ
玲於くんが大好きなチカさんのこと、こんなに大嫌いなんだよ
玲於くんがわたしを追いかけてきてくれたこと
嬉しいのに
素直に喜べない
この状況にはもう、耐えられなくて
A「…チカさんのとこ、戻っていいよ。」
玲於「…え？」
A「…チカさんに会いたかったんでしょ？…この前だって、Aは用事あるって嘘ついてまで、チカさんと2人になりたかったんでしょ？」
泣きながら絞り出したわたしの言葉に
玲於くん、一瞬驚いた顔をして
玲於「…違う。」
A「違くないよ…分かるもん、わたしが邪魔だって、分かるもん。」
玲於「…邪魔なんて思ったことない。」
言いながら もう一度わたしの手を握る玲於くん
玲於「……お前に会いたかったんだよ。」
今まで一度だって言われたことがない、そんなセリフ
…ずるい、なんでこんな時に？
玲於「でも6階行ったらチカちゃんがいて…携帯忘れてるって言うから、今からお前の家行こうとしてた。…それだけじゃん。」
…もう、やめてよ
大嫌いだって思ったばかりなのに
そんなこと言われたら…
玲於「…バカ、何泣いてんの…」
そう言って涙を拭いてくれる優しさも
呆れたように笑う唇も
…全部全部、わたしのものだったらいいのに。
．
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nenekos0204(プロフ) - なんか1個1個の会話とかが自然で面白くてずっっともんでたいって思うお話です！！ (2020年5月3日 19時) (
レス) id: 855b5832ad (このIDを非表示/違反報告)
麦茶犬 - キュンキュンしすぎて、にやにやがとまらないです(笑)！応援してます！ (2018年2月1日 18時) (レス) id: 97f101f8e3 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 昨日友達の勧めで読み始めました！きゅんきゅんして終始ニヤケてます...笑 引き続き読みたいと思います(″ﾉдﾉ） (2016年12月26日 17時) (レス) id: 44b2651ac8 (このIDを非表示/違反報告)
佐野恋雪(プロフ) - ド(クセンヨクが強く 自分の気持ちを)S(になることでしか表現出来ない)玲於くん 略してドS！笑 思わず笑ってしまいました、最高です(*´艸`)笑 (2016年12月7日 23時) (レス) id: b87880982e (このIDを非表示/違反報告)
さのあき - 毎日の更新ありがとうございます！楽しみにしすぎて仕事が捗ります！これからも応援してます！ (2016年12月7日 22時) (レス) id: 74ab73a03d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年11月25日 20時
