見たくない ページ14
Aside
A「…あれ…」
目が覚めると 肩にブランケットが掛けられていて
カウンターにうつ伏せになってて
「起きた？Aちゃん。」
A「おじいちゃん…ごめんね、寝てた。」
「疲れてたんだね。」
仕事帰りにカフェ寄ったんだ。
それで、ココア飲みながら寝ちゃって…
A「…え、今何時？」
「もう50分だよ。」
A「…22時？」
「23時。」
A「嘘でしょ！ごめんねおじいちゃん、すぐ帰るから…」
ゆっくりでいいよって言うおじいちゃんの声を聞きながら
慌てて荷物をまとめる。
「大丈夫？明日遅刻しない？」
A「んー、明日は昼過ぎからだった気がする。」
「じゃあ大丈夫だね。」
お代を払って
ほんとにごめんなさいって頭を下げて、店を後にした。
…はあ、おじいちゃんに迷惑かけちゃったな
今度手袋でもプレゼントしようっと。
そんなことを考えながら通りを歩く。
寒すぎて、ぐるぐる巻いてるマフラーに顔を埋めたり
冬でもなぜか暖かい手をカイロがわりにしてみたり
…そういえばこの前ドキドキしたなあ
玲於くん、今なにしてるんだろ。
こんな時間にラーメン行きたいなんて言ったら
やだって断れるかな
…ラインしてみよ
ニヤニヤしながら携帯を取り出す。
道で立ち止まってアプリを開いていたら
後ろから来た自転車にベル鳴らされちゃって
A「…びっくりした…」
思わず目で追っていると
前を歩く、ふたりの男女の姿が目に入った。
自転車に気付いた男の子が
女の子の手を握って、引き寄せて…
A「……あれ…？」
見覚えのある、そのシルエット
…玲於くんとチカさんだ。
繋がっているその手を見ながら
玲於くん、何かを話していて
そのままじっと 2人は立ち尽くして…
…嫌だ
見たくない
思わず逆方向へ走り出した。
…わたしじゃないって
分かってたはずなのに
玲於くんにとって 手を繋いで幸せなのは
わたしじゃなくて、チカさんなの
わたしが勝手に舞い上がってただけで
きっと玲於くんは今、チカさんの手を離したくないって思っていて…
…このまま2人でどこか行くのかな。
チカさんが泊まってるホテルかも。
こんなに傷ついてまでわたしは、玲於くんを想い続けて
…意味あるのかな
…泣きながら帰るなんてこと、もうしたくないのに。
．
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nenekos0204(プロフ) - なんか1個1個の会話とかが自然で面白くてずっっともんでたいって思うお話です！！ (2020年5月3日 19時) (
レス) id: 855b5832ad (このIDを非表示/違反報告)
麦茶犬 - キュンキュンしすぎて、にやにやがとまらないです(笑)！応援してます！ (2018年2月1日 18時) (レス) id: 97f101f8e3 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 昨日友達の勧めで読み始めました！きゅんきゅんして終始ニヤケてます...笑 引き続き読みたいと思います(″ﾉдﾉ） (2016年12月26日 17時) (レス) id: 44b2651ac8 (このIDを非表示/違反報告)
佐野恋雪(プロフ) - ド(クセンヨクが強く 自分の気持ちを)S(になることでしか表現出来ない)玲於くん 略してドS！笑 思わず笑ってしまいました、最高です(*´艸`)笑 (2016年12月7日 23時) (レス) id: b87880982e (このIDを非表示/違反報告)
さのあき - 毎日の更新ありがとうございます！楽しみにしすぎて仕事が捗ります！これからも応援してます！ (2016年12月7日 22時) (レス) id: 74ab73a03d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年11月25日 20時
