小さな背中 ページ35
玲於side
A「…嘘つきにさせるの、玲於くんじゃん。」
無理に作った笑顔で
小さくそう呟いて、俺を見上げた。
玲於「…俺？」
こいつは泣かないって分かってても
泣き顔を連想してしまうような、そんな空気
…いつものAじゃない。
A「…わたし、玲於くんのこと、ほんとに好きなんだよ。」
玲於「…うん。」
A「……ほんとに好きで、だから…分かっちゃうの。」
玲於「…え？」
震える声
また、つらそうな表情で
A「…玲於くんは、チカさんが好きなんだよね。」
確かに、そう言った。
人から言われたのなんて初めてで
それがよりによって、Aで
…どうしたらいい？
だってこいつも、俺のこと好きだって言ってくれてるし
そんな子の前で
うんチカちゃんのこと好きなんだ、なんて
簡単に言えるわけないじゃん。
変な期待持たせるのも良くないって
ずっと分かってる。
でもどうしても
…こいつのこと、拒否できない。
A「…ごめんね、なんでもない。」
玲於「…え？」
A「送ってくれてありがとう。…おやすみなさい。」
そう言い残してマンションに入っていく
小さな背中。
…チカさんが好きなんだよね、か。
俺のことが好きだから分かった、なんて言ってたけど
それってたぶん
チカちゃんが涼太くんのこと大事に思ってるって、俺が嫌でも分かってしまうのと同じこと。
だったらあいつ
今、相当つらい思いして…
玲於「…はあ、」
あいつのこと思いやってる余裕なんて、資格なんて
ないはずなのに。
そうだよチカちゃんが好きなんだよ
だから俺のことなんて諦めろよ
そう、言わなきゃいけないはずなのに。
…何に気遣ってんの、俺。
〜♪
その時携帯に届いたのは
チカ [ 涼太帰ってこないから暇(T_T) ]
いつもなら嬉しいはずの、こんなライン。
…ずりいな
って、俺が言える立場じゃないか。
俺だってAに同じことしてる。
…あーあ
どうすっかなあ。
ほんとのこと言ってAを傷つけるのも嫌だけど
でも
このままだったらたぶん、あいつはずっと俺が好きで
もしかしたら今以上に苦しめてしまうかもしれない。
…それはなんか、嫌だし。
…俺にとってのAって何なんだろ
初めてそんなことを考えた。
．
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なゆ(プロフ) - SnowMan目黒蓮くんのお話で全く同じ作品あるんです。今日読んでて佐野玲於ver知ってるなぁと思ったら、タイトルも見出し？も内容も全く同じでした。きなこさんが書いてるのかと思ったら作者は違う方です。一度確認してみて下さい、、、。 (2021年8月18日 4時) (
レス) id: 1e103a7bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ri(プロフ) - こんばんは。いきなりコメントごめんなさい。このお話2年前ぐらいに読んでから、すごい好きで定期的に読みたくなるんです。とっくにLDHのファンをやめたのに、懐かしくなって玲於くんのお話別作品も読ませていただきました。とても素敵でした。 (2020年6月18日 1時) (レス) id: c2ce5189fe (このIDを非表示/違反報告)
meiichikawa(プロフ) - とてつもなくこのお話が大好きです。 (2018年8月31日 18時) (レス) id: cd3e6473be (このIDを非表示/違反報告)
Neon - このお話にどハマりしてます。もう何回読んだことか､､玲於くんの不器用さがすごく伝わってきてどんどん続きが見たくなる！そんな感じのお話で、ほんとに読みながらキュンキュンしてます(/ω＼)これからも小説頑張ってください！！ (2018年2月12日 14時) (レス) id: adc5307a56 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - この話すっごい好きです。主人公を応援したくなるし、何回よんでもあきません。せつないし、嬉しい！とか表現があって。ほんまに大好きです！占いツクールを初めて開いた時から読んでいまだに、たまに読んだりします！ (2017年12月26日 0時) (レス) id: fb70c0baa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年11月10日 21時
