ユアマイドール【佐野玲於】

乾杯 ページ27

玲於side






「かんぱーい！」





20時



各々の仕事が終わった後

いつもの店で乾杯した。




個室は8人用のテーブル席なんだけど

亜嵐くんいないから俺ら6人だし、あと美幸さんも来れなくなったから

チカちゃんとA合わせてキッチリ8人。




って言ってもまあ、Aは事務所に荷物取りに行ってから来るらしいから 今は7人なんだけど。






涼太「なんかさ、暇なメンバー集まった感やばいよね。笑」


裕太「亜嵐くんだけやん、おらんの。」


メン「まあちゃんとさっきまで働いてましたからね？俺らも！」






いやメンディーさん、プロテイン飲んでただけっすよね？




って、突っ込みたい。

めちゃくちゃ突っ込みたい。



めちゃくちゃ突っ込みたいけど

目の前にチカちゃんいるし 下手にこんなこと言って嫌われたくない。





運ばれて来た料理を眺めて

たまにチカちゃんをチラ見して


やっぱ綺麗だな、なんて思ったりするだけ。





隣に座ってる涼太くんに笑いかけてる横顔とか

すげー好きだなって思う。



まあ、妬いたりもするけど…





隼「チカちゃん、これからの仕事は？」


チカ「んー、悩んでるんだけど…パリで色の魅せ方なんかを勉強してきたんだよね。だから、ショーとか ライブな現場でお仕事したいって思ってて。」





…てことは、俺らの専属にはもう戻ってこないんだ。




いや、寂しいとか思ってるわけじゃなくて


ただ

会いたい時どうやって呼び出せばいいんだろ、なんて考えてる。




Aみたいに、いつでもどこでもひょこひょこついてくる人じゃないし。





…てかたぶん、チカちゃんが専属に戻ったら

Aが辞めなきゃいけなくなる。



チカちゃんが留学行って空いた枠にAが入ったんだから。



…あいつがいなくなんのも、まあ、つまんないし。






涼太「まあまあ、また決まったら俺から報告しますよ。」


隼「ウザいっすね〜その彼氏ヅラ！」


涼太「だって彼氏だもん。笑」





そんな涼太くんの言葉に

嬉しそうに目を細めて笑ってる。



…はあ、やんなるわ。片思いって。






なんて思ってたとき






A「失礼します…」






引き戸が開いて、緊張した面持ちのAが入ってきた。



…なんていうか、こいつも俺に片思いしてんのか。





龍友「お、来た来た。」


裕太「座り〜」






そう言って促されるA





空いてる席、俺の隣しかないんだけど。



．

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