不思議な人 ページ6
Aside
A「…もしもし、」
リビングに繋がるドアを閉めて
廊下で話す。
なんだか、臣くんにも佐野くんにも、悪いことをしてるような気になっちゃって。
…なんにも、やましいことなんてないのに。
広臣『今大丈夫？』
A「うん、どうしたの？」
広臣『あのさ、夏休みだし…一緒に地元帰ろっか。』
そういえば前に
連れて帰ってやるって言ってくれたっけ。
臣くんの実家とわたしの実家
すごく近いから。
A「連れて帰ってくれるの？」
広臣『うん。Aが良ければ。』
A「嬉しい。そろそろ帰んないと、ママに怒られそうだし…」
広臣『おばさん心配性だもんね。』
A「そうなの。」
ママ、この前もね
って またいつものお喋りが出そうになったとき
リビングから佐野くんが咳込むのが聞こえて。
A「あ、ごめんね。いま佐野くんが風邪ひいちゃってて。看病してるの。」
って言っても、ただ一緒にいるだけなんだけど。
広臣『風邪？…なんかいる？持ってこっか。』
A「ううん、もう熱はないし、大丈夫だと思う。」
広臣『そっか。…襲われんなよ。』
A「そんなのないよ。」
広臣『…ならいいけど。…じゃああとはラインにするわ。夜でもいいから返事して。』
A「うん、ありがとう。」
臣くんは優しいな。
通話を切って、リビングに戻った。
A「ごめんね、」
玲於「…ん。」
A「…それで、その、好きな人…だれ？」
玲於「……お前には言わねえ。」
A「あ、なにそれ。さっきは言おうとしてたじゃん。」
玲於「気が変わった。つーかもう好きじゃ…なく、なりたい…から。」
ソファーの上であぐらかいて
天井見上げてる。
…相変わらず、鼻高いな。
A「…ほんとに諦めちゃうの？」
玲於「…諦めねえと、こっちもツラい。」
A「…そっか。」
玲於「……今の電話、臣さんでしょ？」
声、聞こえてたのかな。
A「…うん。臣くん。」
玲於「…はーあ、やんなるわ。俺なんか4年前から好きなんですけど。」
A「…わたしに言われても。」
玲於「…お前さ、」
こっち向け、って言われて振り向くと
A「…いた。」
玲於「…鈍感。」
デコピン
からの、ちょっと笑って頭ポンポン。
優しいのか、なんなのか
佐野くんはほんとに不思議な人だ。
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
