約束の日 ページ43
広臣side
母ちゃんが勝手に作った見合いの席
その約束の日
もちろん結婚なんてする気はねえし
行っても無意味なんだけど
わざわざ俺の職場の近くに席を設けてるあたり
母ちゃんも本気なんだって伝わってくる。
隆二「臣、」
就業時間を過ぎて
約束の時間まで30分を切った頃、唯一事情を知ってる隆二が声をかけてきた。
隆二「…今日でしょ？」
広臣「…うん。行くわ。」
隆二「大丈夫？」
広臣「…母ちゃんが勝手にしたことだから、行かなきゃ相手の女性にも悪いし。…飯だけ食って帰る。」
隆二「うん…Aちゃんには？」
広臣「言ってない。…余計なこと言って不安にさせたくねえし。…大丈夫だろ。」
わかった、と頷いた隆二と別れ
エレベーターホールへと向かった。
…つーか普通見合いってさ
休みの日にするもんじゃねえの？
母ちゃん、堅苦しく思わないで なんて言ってたけど
ほんとにただの会食？
…あーあ、めんどくせえ。
そんなことを考えていたら
7階に着いて開いた扉から出てきたの
今は一番会いたくない、Aだった。
A「臣くん、」
俺の顔見て嬉しそうに笑って
…今から見合いだなんて、到底言えねえよ。
広臣「…どしたの？」
A「忘れ物しちゃって。下に佐野くん待たせてるの。」
広臣「そっか、」
A「臣くんもう帰るの？」
広臣「うん。」
A「…じゃあ、また明日ね。」
広臣「ん、また明日。」
手を振って、フロアへ向かう彼女
その後ろ姿を見つめながら
大丈夫だ、と確信した。
．
広臣「すみません、お待たせしました。」
母ちゃんから送られてた住所を確認しながら
10分で到着した料亭。
案内された個室の引き戸を開けると
綺麗な女性と、その母親と
母ちゃん
3人が俺のこと待ってて。
「仕事おつかれさま。」
広臣「…うん。」
俺の前に座ってる
長い髪の、いかにもお嬢様な出で立ちの彼女
でも第一印象はそこまで悪くなくて…っていうか、むしろ良い方で
そのフワフワした空気感が、どこかAに似てる気がした。
広臣「…初めまして。登坂広臣です。」
「初めまして。」
始まった、会食という肩書きの、お見合い。
上機嫌な母ちゃんを横目に
ずっとAのことを考えていた。
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
