怒りと悲しみ ページ39
広臣side
「お父さん今出張なのよ。」
広臣「出張？そっか。」
親父いねえんだ。
だから寂しくて呼んだのかな、なんて勝手に解釈。
「晩ご飯まだでしょ？」
広臣「うん。なんかある？」
「残り物でよければ。」
手際よく並べられる食事。
母ちゃんは、いただきますって手合わせた俺の前に座って
最近あったことを楽しそうに喋ってる。
…なんだ、ほんとに普通じゃん。
「泊まっていく？」
広臣「いや、帰る。仕事残ってんだよね。」
「あらそうなの。」
広臣「うん。…ごちそうさま。」
「いいわよ、私が洗うから。」
これくらい自分ですんのに
座ってて、なんて言う母ちゃん。
お言葉に甘えて、リビングに向かった。
暫くして洗い物を終えた母ちゃんもソファーに座って
またさっきのお喋りの続き。
長話の相手はAのおかげで慣れてるし
親父じゃ話し足りないんだろうから、笑顔で聞いてやる。
コーヒー飲みながら、久々に親子の時間を楽しんだ。
「あら、もうこんな時間。」
そんな母ちゃんの声に時計を見上げると
もう日付けが変わっていて。
広臣「やべ、帰んねえと…」
「待って、広臣。見せたいものが…」
鞄を持つ俺を引き止めて
寝室から何かを持ってきた母ちゃん。
そうだ、コレを見に来たんだっけ？
広臣「何、見せたいものって。」
「…突然で悪いんだけどね。」
さっきとは打って変わって
おとなしい声を出してる。
嫌な予感
唐突に感じた。
「…広臣もいい歳だし、会ってみない？一度。」
母ちゃんが見せたかったもの
それは
最近じゃドラマでも見ないような、お見合い写真。
広臣「……母さん、」
「お父さんの会社でお世話になってる方の娘さんなんだけど、見て、美人でしょう？」
広臣「…母さん、俺は、」
「お見合いとか、そんな堅苦しいものって思わないでいいから。ただご飯食べるだけ。」
広臣「なんで勝手に、」
「わたしもついて行くわ。」
ね、って
笑顔で渡される写真。
…なんだよ、知ってたのかよ。
広臣「…ごめん母さん、」
「来週席を用意してあるの。来てくれるよね？」
広臣「俺の話聞いて。」
「広臣。」
じっ、と
俺を見上げる母さんの視線。
「…お願いだから、言うこと聞いて。」
怒りとか
悲しみとか
そんなものを抱えてる目だった。
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
