強引な優しさ ページ34
Aside
隆二「…Aちゃん？」
名前を呼ばれて我に返る。
顔を上げると、隣のデスクから心配そうな目線をくれる今市さん。
隆二「…もう、上がっていいよ？」
A「え、」
時計を見ると、既に就業時間を過ぎていた。
最後に時計見たの、まだ15時とかだったのに。
隆二「なんか今日ぼーっとしてんね。大丈夫？」
A「…大丈夫です。すみません…」
隆二「そっか。じゃあ気をつけてね。」
荷物まとめて、お疲れさまでしたって席を立った。
佐野くんの方振り向くと ちょうど終わったみたいで、ペコペコ頭下げて立ち上がってる。
玲於「ごめん、待った？」
A「ううん、わたしもいま終わったの。」
玲於「そ？」
フロアを出るとき、振り返って臣くんのこと見たけど
向こうはちっとも私に気づいてくれなかった。
A「…はあ、」
玲於「なに、なんか朝からテンション低くね？」
A「…うん、まあ。」
玲於「俺が聞いてやろっか。」
A「…大丈夫。」
大丈夫じゃないけど
この合言葉を声に出したら、ほんとに大丈夫になりそうな気がするの。
だから
玲於「…大丈夫じゃねえだろ。」
A「……大丈夫。」
わたしの考えてること、全部分かっちゃう佐野くんにも、強がってみたり。
玲於「…あー、ダメダメ。晩飯今日俺んちね。」
A「え？」
玲於「一緒に食べんの、いい？」
A「なんで…」
玲於「なんでって…今のお前、ほっとけねえし。」
じゃあスーパー寄って帰んなきゃ、
言いながら、方向転換して。
強引な優しさが、今は嬉しい。
…誰より私のこと 分かってくれてる。
玲於「うわ、スーパーさみい。…ちょ、Aカゴ取って。」
A「うん。」
カゴ取って佐野くんに渡すと
早速適当に野菜入れ出して
A「ちゃんと見てるの？痛んでるかもよ。」
玲於「痛んでるとこ捨てたらいいじゃん。」
A「…ワイルドすぎ。」
玲於「なに食べたい？ハンバーグか、餃子。」
A「二択？…餃子かな。」
玲於「おっけーハンバーグね。」
A「…ハンバーグ食べたいならそう言えばいいじゃん。」
うるせえ、なんて言いながら
手際よくハンバーグの材料カゴに放り投げてて
玲於「完璧。俺が奢ってやる。」
A「…これでお金出してって言われてもドン引きだけど。」
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
