この人だけを ページ33
Aside
一言も会話がないまま、マンションに戻った。
リビングの電気を点けて
テーブルに買い物袋置いて
広臣「…紘子おばさんってさ。」
ぽつり、と
呟くように話し出す臣くん。
広臣「…3人きょうだいの中で1人だけ独身だし、俺らの親ともあんま仲良くないし、親戚の集まりでもほとんど顔出さねえじゃん。」
A「…うん。」
紘子おばさん
ママの口からその名前が出ること、滅多にない。
会ったのだって、ほんとに何年ぶりかも覚えてないくらいで。
広臣「…それが吉と出るか凶と出るか、だね。」
A「…けどおばさん、わたしたちのこと…すごい目で見てた。」
軽蔑とか
嫌悪感とか
そんな言葉が浮かんでしまうような視線。
…でもきっと、誰でもそうなるよね。
今市さんとか佐野くんとか
2人が特別だっただけで、従兄妹同士のわたしたちがこんな関係にあるって
他の人が知ったら、なんか嫌だよね。
A「……臣くん…」
広臣「…バカ。お前は心配しなくていいから…」
そう言いながら、わたしを抱き寄せた腕
…ああわたし
ここから離れたくない。
広臣「…寝れる？」
A「…寝れない。」
広臣「……こっちおいで。」
優しく手を引かれて、連れて行かれた寝室。
ベッドの上で ぎゅって抱きしめて、背中とんとんしてくれる。
臣くんのTシャツ、ぎゅって掴んで
大好き、大好きって、心の中で何度も繰り返した。
きっとこれから、もっと怖いことがある。
もっと悲しいことがある。
そのたびにわたしはこうして
臣くんのそばにいたいって、より一層強く思うんだ。
広臣「……好きだよ、A。」
A「…わたしも、好き。」
臣くんの体温を近くで感じながら
この人だけを信じて生きていればいい
この人のためだけに生きていればいい
そう自分に言い聞かせてた。
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
