ダメだ ページ32
Aside
A「…臣くんのトレーナー、いいにおいする…」
広臣「んー、柔軟剤？」
A「そうかも。」
トレーナーの首元、鼻のとこまで引っ張ってくんくんする。
伸びるからだめって怒られたけど。
明るく目立ってるコンビニ
眠そうな店員さんが、いらっしゃいませってやる気なさそうに迎えてくれて。
広臣「朝パンでいい？」
A「うん。」
繋いでた手離して
臣くんはパンのとこ、わたしはアイスのとこに向かった。
んー、どうしよう。
ちょっと寒いし
アイスより、ヨーグルトの方が食べたい気もする。
アイスの隣に並べてあった、ヨーグルトとかプリンとか
その中からお気に入りのヨーグルトを選んで
臣くんを探しに行った。
通路を曲がると、奥に見える臣くんの横顔
…誰かと、喋ってる？
A「…臣くん…？」
名前を呼ぶと
ちらってわたしの方向いて
でもすぐ逸らされて
…このときわたしが名前を呼ばなければ
って、今更後悔しても もう遅い。
棚に隠れて見えなかった、
臣くんが喋ってた相手。
わたしの声が聞こえたのか、こっちを覗き込んできた。
その人は
A「……おばさん、」
わたしのママと
臣くんのお父さん
その長女にあたる、紘子おばさん。
血の気が引いていくの、感じて…
紘子「……Aちゃんよね？」
なんで、こんなタイミングで
紘子「…何してるの？…2人なの？」
久しぶり、の前に
2人なの？って聞かれるなんて
…これ、ダメだ。
広臣「…おばさん、俺ら今、職場同じなんです。」
紘子「…そうなの？…会社の集まりか何かなの？こんな時間に2人なんて…」
そう問いかけるおばさんの目は
完全にわたしたちを軽蔑していて
はい、と答えたわたしの声も 嘘だって自分でも分かるくらいに震えていた。
紘子「…Aちゃん、広臣くん…あなたたち…」
広臣「…おばさん、こんな時間に外出るなんて危ないっすよ。」
紘子「……そうね、もう帰るわ。」
そそくさとレジに向かったおばさん
最後に一度わたしたちの方を振り向いて
お店から出て行った。
A「…臣くん…」
広臣「……大丈夫。」
わたしの頭にぽんって手置いて
優しく笑う。
広臣「…俺らも帰ろっか。」
…こんなの、大丈夫なわけないのに。
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
