見えない ページ29
Aside
それからの毎日
ほんとに幸せに過ごしてた。
今市さんと仕事して
会議の後、臣くんと2人で喋ったりして
夜はベランダで佐野くんと飲んで
週末は臣くん家にお泊まり
恋も仕事も、順調。
ずっとこのまま何もなく時間が過ぎればいい、なんて思ってしまうくらい。
だから今日も
この印刷が終わったら、佐野くんと家に帰って
明日も仕事だし 昨日の残り物でも食べて早めに寝ちゃおう
そんなことを考えてた。
A「よし、できた。」
いつも通り、15部ずつ印刷。
コピー機の電源をオフにして、印刷室から出ようとドアの方を向いた。
そのとき
ちょうど扉が開いて…
「…失礼します。」
見たことないけど、綺麗な女の人。
わたしに向かってそう言った。
慌てて頭を下げたら、少し笑ってこっちに近づいてきて
「…Aちゃん、だよね。」
って。
…なんで、わたしの名前…
A「…そう、です。」
「ごめんね、突然。わたしのこと知らないかな。経理部の小松です。」
A「…すみません。」
ここは嘘でも知ってるって言ってたほうがよかったかな、なんて 後から後悔。
小松「…ちょっといい？」
A「…はい、」
この人の笑顔は少し怖くて
立場的に絶対わたしよりも上なんだって、嫌でも分かってしまう。
小松「…単刀直入に聞くけど、登坂くんと付き合ってるよね？」
A「…え、」
頭の中が真っ白になって
嫌な汗が出てくる。
違う、違う
大丈夫
この人は部署が違うから、わたしと臣くんが従兄妹だって知らないだけだよ
…だから、大丈夫
A「…誤解、させてしまったかもしれないんですけど…わたし、臣くんの従兄妹で…」
小松「……それ、本当なの？」
A「…え？」
小松「私には、従兄妹だって嘘ついて、社内恋愛隠してるようにしか見えないんだけど。」
自信に満ち溢れたその挑発的な視線
怖くて、思わず俯いた。
A「…嘘じゃないです、」
小松「…どうしても、従兄妹には見えないの。」
ああ、なんて言えばいいんだろう。
臣くんだったら…なんて…
A「……ほんとに、従兄妹です…」
震える声で絞り出したその言葉に
何も返事をせずに印刷室から出て行った小松さん。
…どうしよう
わたしたちのことは
絶対、バレたらいけないのに。
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
