誰よりも ページ11
広臣side
母ちゃんと並んでキッチンに立ってるA
たまに見せる不安そうな顔が
どうしても放っておけなくて
思わず呼び出した。
小さなその手を握ると
泣きそうに唇噛んで、俺の横に座って。
A「…なんか、怖くなって。」
広臣「…うん。」
A「…わたしたちのこと知ったら、ママたち…」
広臣「…大丈夫。」
頭撫でてやると
うん、って 俺の方に頭傾ける
A「……悪いこと、してるわけじゃないのに。」
震える声でそう呟いたA
消えそうなくらい弱々しいその存在に
俺の方が怖くなる。
広臣「…俺が守ってやるって言ったじゃん。……お前はなんも気にすることねえよ。」
A「…うん。」
広臣「……だから…そんな顔すんなって。」
泣き虫
我慢してんだろ。
眉間にシワ寄せて、今にも泣きそうな顔。
そんな顔するほど不安なのに
それでも、俺の手をしっかりと握ってくれる。
…ああもうほんとに
広臣「…好きだよ。」
思わず出たそんな言葉と
Aの体を抱きしめる腕
俺、こんな余裕なかった？
A「…臣くん、苦しいよ…」
臣くん、と
Aが俺の名前を呼ぶたびに
俺はたまんない気持ちになる。
こいつの中に、俺はちゃんといて
当たり前だけど、それを実感させてくれるこのか細い声が、俺だけのものになればいい、なんて思うんだ。
広臣「…こっち見て。」
誰にも聞こえないように
小さい声で
できるだけ至近距離で
ピンク色のその唇を見つめると
見ないでって、恥ずかしそうに指で隠してる。
広臣「……指、下ろして。」
A「…やだ…」
広臣「……キスできねえじゃん。」
その言葉だけで真っ赤になった頬
右手で触れると、
恥ずかしそうに肩すぼめた。
唇を覆うAの細い指をゆっくりと外していく。
やだ、なんて言ってた割には抵抗もしねえし。
広臣「……声、出すなよ。」
言いながら重ねた唇は
俺だけのもの。
柔らかい髪も
俺にしがみつく、この小さな手も
全部、俺のだ。
誰かに言われて諦められる気持ちなら
とっくに捨ててる。
どうしてもこの子が欲しいんだよ。
他には何もいらない。
Aだけでいい。
不安な気持ちを掻き消すように
小さな体を抱きしめた。
…誰よりも、好きだよ。
．
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モモ - 佐野くんと結ばれてほしい〜〜がんばれ！さの！いけ！さの！ (2016年9月26日 20時) (
レス) id: 610f698085 (このIDを非表示/違反報告)
#あると - 久々コメントします!いいですねいいですね。どんどん面白くなっていて、受験生だっていうのにずっと読んでます笑佐野くんがついに動きそうですね!がんばれ佐野くん!どんな終わりになるのか楽しみです! (2016年9月26日 16時) (レス) id: 2cfa8e7768 (このIDを非表示/違反報告)
りり - これって佐野くんと結ばれてしまうのかな…
臣くんにがんばってほしいなぁ… (2016年9月26日 7時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 佐野くん！！！！！！佐野くんの想いが報われるように祈ってます（；＿；）素敵です佐野くん！がんばって！ (2016年9月26日 2時) (レス) id: 2c5990e7ad (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐野くんー（ ; ; ） やっと佐野くんの想いが伝えれる..！とっても感情移入しちゃってます（ ; ; ）すごくどハマりしてて通知なくても見に来ちゃいます！佐野くん頑張れー（ ; ; ） (2016年9月26日 1時) (レス) id: fcd0123266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2016年9月4日 20時
