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秘密 ページ10

Aside






広臣「で、なんでAここいんの?」






わたしの隣のコピー機に資料セットしながら、そんなこと聞いてくる。



岩田さんは奥の特殊なコピー機の前で作業中






A「あのね、今市さんにこれコピーしてって頼まれたんだけど…なんか詰まっちゃって。」


広臣「ん?」






詰まった?って

わたしの隣に立って、ディスプレイ覗き込む。



その横顔がカッコよすぎて

思わず目線そらしたり…






広臣「ほんとだ。詰まってんね。」


A「…な、なんでだろ。わたしが適当に使っちゃったからかな…」


広臣「適当に使った?笑」


A「…機械とか、よく分かんないし…」


広臣「機械って。笑 ただのコピー機じゃん。笑」







なんて笑いながら操作してて…


ああほんと することがいちいちかっこいい。

好きだからこう見えるのかな







剛典「…あれ〜、不調。臣さんそっちの修理終わったらコレも見てください。」


広臣「やだ。」


剛典「やだ!?」


広臣「うそうそ。笑」







なんすかそれ〜って項垂れてる岩田さん


その姿みて笑ってたら


コピー機に隠れて見えない下の方で、

臣くんがそっとわたしの左手を握った。






びっくりして振り向くと


しーって、こっそりジェスチャーしてきて。







…どうしよう



ドキドキしすぎて、頭真っ白。









剛典「まだ?」


広臣「んー、なんかコレなおんねえ。」







嘘だ、嘘。


もう普通の画面に戻ってるもん。




ああなにこれ


心臓飛び出ちゃいそう。







広臣「……A、まずここ押して。」


A「…うん。」


広臣「で、何部か設定する。何部って言われた?」


A「えと…15部…」


広臣「ん。15ね、…よし。」






岩田さんの鼻歌が聞こえて


近くに臣くんの匂いを感じて








広臣「……これで大丈夫。」









俯くわたしの唇を

下からすくい上げるように奪う




触れ合ったのは、たった1秒





でも この秘密の関係が、その1秒すら幸せに感じさせてくれる。






唇が離れたあと、じっとわたしを見つめたその目とか

優しく上がった口角とか




臣くんを造るすべてのものが、愛おしくてたまらない。







剛典「ねえ臣さんまだ?」


広臣「ん、終わった終わった。なにがおかしいの?」


剛典「なんかコレ選択できなくてー。」









秘密




秘密









わたしたちのことは


誰にもバレてはいけないの。



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R(プロフ) - もうドキドキが止まらないです!おみくんに内緒の隆二くん。こんなに幸せな気持ちになれるのはきなこさんのお話だけです。毎回隆二くんのコメントばかりですみません(笑)どうしても止めらませんでした!きなこさんの書く隆二くん、本当に本当に大好きです!! (2018年2月20日 5時) (レス) id: 05e37e8b83 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 隆二くんの誕生日から、ちょこちょこ読み直してた三色スミレ。大好きな作品のうちのひとつです(^O^)隆二くんの誕生日だから、と書いて頂いたかき氷のところ、何回読んでもドキドキにやにや。またいつか隆二くんがでてくるお話が読めたら嬉しいなあ、なんて(*_*)笑笑 (2017年9月14日 1時) (レス) id: 05e37e8b83 (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - まだ途中までしか読めていませんが玲於くんの10年後のところで涙腺崩壊しました(;_;)ずっと近くでいたのに諦めないといけない気持ちが切なすぎてこの先読むのが苦しくなっちゃいました(><) (2017年2月28日 17時) (レス) id: bae3926117 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 隆二くんとかき氷のところ、本当に大好きで何度も読み返しています(*´ω`*)きなこさん、一人一人の言動をとらえるのがすごく上手で会話がすごくリアルだったりいつも引き込まれます♪本当に隆二くんがそこにいるみたいで幸せです(*^^*) (2016年12月24日 9時) (レス) id: 6cfff937d4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。こんな楽しいイベントのある会社良いですよね〜。自分的には隆二君にドキドキしちゃいました。(´∇`) 隆二くんの恋愛もよみたいなぁって思いました。機会があれば、お願いしまーす。続きも楽しみです。(^^♪ (2016年9月11日 7時) (レス) id: 3c98403961 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2016年8月22日 22時

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